LGBTQ講演会

講演内容
【講師:杉山文野 氏】
1981年東京都新宿区生まれ。フェンシング元女子日本代表。 早稲田大学大学院にてジェンダー・セクシュアリティを中心に研究した後、その研究内容とトランスジェンダーである自身の体験を織り交ぜた『ダブルハッピ ネス』を出版。「違いを知り、違いを楽しむ場をつくる」をテーマに、LGBTQの啓発を中心とした飲食店の経営やイベントの運営、全国各地で年間100本を超える講演会やメディア出演等、活動は多にわたる。 現在は、日本フェンシング協会理事、日本オリンピック委員会理事等も兼任。
結論:ウェルカミングアウト
ウェルカムカミングアウトとは
ウェルカミングアウトとは? 「Welcome」と「Coming Out」を合わせた造語で、LGBTQ+フレンドリーであることを表明する活動です。 「自分はアライです」「カミングアウトもウェルカムです」と表明すること。
つまり「私は受けれますので、どうぞ告白して下さい」という事で、これを広げましょうというのがこの度の公演の結論です。
公演内容の要点
◉LGBTQの方が自殺を考えるのは中学生から高校生にかけて。
◉ピルの導入が先進国で一番遅い。40年遅れ。
◉大事な意思決定の場に当事者がいないのが、遅くなってしまう理由ではいか。
◉2015年にオリンピック憲章に性的思考の差別を禁止された。
◉ダイバーシティ=多様性。
◉包摂性=あるものを包み込んで取り込むこと。
◉LGBTQの友人がいる人は会場で数名。恐らく5人以下。
◉多様な性の存在。3つの性に分けられる。①身体的な性、②性自認、③性的指向、あと④表現する性もあるのでは。
◉アライ(ally)=LGBTQのり会社として共に行動する人。
◉トランスジェンダー=出生時の割り当てられた法律上の性と成人が異なる人
◉戸籍上の性の変更ができる。現時点で1万2千人ぐらいの実績がある。
◉同性間の性行動が確認されている生物は1500種。ちなみに生物は175万種。
◉性別を移行する魚は300種。ちなみに魚の種類は3万種類。
◉LGBTQの人口 5〜8%。日本のLGBT人口は約3%〜8%(大阪市での調査)


◉LGBTを気づく年齢は、就学前から小学生の間に違和感に気づくことが多いです。バイセクシャルは中学1年が多い。
事前学習
LGBTQとは
LGBTQとは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人)、QueerやQuestioning(クイアやクエスチョニング)の頭文字をとった言葉で、性的マイノリティ(性的少数者)を表す総称のひとつとしても使われることがあります。 ※Qを表す「クイア」は、もともと「不思議な」「風変わりな」「奇妙な」などを表す言葉で、同性愛者への侮蔑語でしたが、現代では、規範的な性のあり方以外を包括する言葉としても使われています。「クエスチョニング」は、自らの性のあり方について、特定の枠に属さない人、わからない人等を表す言葉です。 日本におけるLGBTQの割合は、調査機関・調査方法によってデータにバラつきがありますが、現在では約3%〜10%と言われています。
LGBT理解増進法の主な内容
●法律の目的は、性的指向およびジェンダーアイデンティティの多様性に寛容な社会の実現に資すること(1条)
●全ての国民は、性的指向またはジェンダーアイデンティティにかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重される。性的指向およびジェンダーアイデンティティを理由とする不当な差別はあってはならない(3条、基本理念)
●国と地方自治体は理解増進施策の策定・実施に努める(4、5条)
●事業主は労働者への普及啓発、就業環境の整備、相談の機会の確保などをおこない、理解増進に努める。学校設置者は家庭および地域住民その他の関係者の協力を得つつ、児童・生徒らの教育または啓発、教育環境の整備、相談の機会の確保などをおこない、理解増進に努める(6条)
●政府は毎年1回、理解増進施策の実施状況を公表する。基本計画を定め、おおむね3年ごとに検討を加える(7、8条)
●全ての国民が安心して生活できるよう留意する。政府は必要な指針を策定する(12条)
LGBT推進の弊害
※私は性的マイノリティーの理解増進に賛成です。
【カレン・ホワイト事件】
LGBT法案成立の旗振り役である稲田朋美衆院議員は、安倍元総理が健在であった時代には安倍元総理からの諫言を聞き入れて法案推進を思いとどまったものの、安倍元総理死去後はその「諫言」を無視して法案成立に前のめりになったのは「裏切りだ」という論法である。この中で山口氏いわく、安倍元総理は「日本でもカレン・ホワイト事件が起こる」などとして稲田議員への諫言の最大理由としている。カレン・ホワイト事件とはイギリスで女子刑務所に収監されたトランスジェンダー女性が、同刑務所収監中に女性受刑者2名に対し性的暴行を行ったものである。つまりカレン・ホワイトの「性自認」を英当局が鵜呑みにしたがために起こった悲劇的な刑事事件というわけである。
【女性の権利侵害】
すでにLGBT法のあるアメリカやイギリスでは、女性と自認する男性が女子更衣室や女子シャワー室、女子トイレに堂々と入ってくるのを女性は受け入れなければならなくなっていて、それを嫌だという人が「差別をする人」として非難を受ける社会になっています。また、生物的に男性のスポーツ選手が、女子として競技に参戦し、メダルを総なめにすると言うことも起きています。日本の温泉施設もどうなるかわからない。強いては観光業さえ存続の危機に晒される可能性だってあるのです。
例えば、まだ流動的な幼少時期からジェンダー教育を導入することで、自己認識を誤ったり、健全なアイデンティティーを確立する妨げにならないか。
【性転換手術の後悔】
今後学校教育現場で、子どもたちへ性的マイノリティーへの理解増進の教育が入ってくると思われます。いや、第6条からも学校教育に含まれるのは間違いありません。この多様性を認め合う教育は歓迎すべき事ですが、同時に「あなたは今の性に違和感がない?」という性自認に対しての心のケアというか調査サポートが発生していくと推察されます。その際に、多感で心が不安定な子供に対し、大人の一言が、性的マイノリティー促進につながる可能性があると私は考えられます。具体的には、とても顔立ちいい男の子がいたとして、「可愛いね」という言葉を時折受けていたとします。可愛いと言われた事が自己評価に繋がり、そして可愛いと言われたいという欲求に繋がるかもしれません。欲求自体は全く問題ないのですが、まだ性の特徴もわからない年代に「あなたは今の性に違和感がない?」という問いかけが、僕は女の子になって可愛いと言われたい!という欲求に変化してしまったら、どうなるでしょう。そのまま大人になっても女性の気持ちで、幸せに生きるのであれば、それはそれでいいと考えます。しかし以下の表のように、8割の人が性転換は必要でない状況があります。もし性転換をしてしまったら、取り返しがつきません。こういった子どもの頃の一時期の心の迷いで性転換を行い、そして後悔した例が海外にはたくさんあります。性的マイノリティーへの理解増進は図るべきものだと思いますが、子供に対して性自認の問いかけは慎重になるべきだと私は考えます。

【子どもの幸せの可能性の制限】
あなたは子供に勉強しなさい!と言いませんか?。そう言ってしまう理由は、いくらでも勉強ができた方が子供が将来幸せに生きる可能性が高いと思うからでしょう。今はまだLGBTQに寛容な社会では決してありません。世界では死刑となる国もあります。LGBTQは認めるべきと思いますが、決して寛容な社会でない以上、LGBTQになる事を避ける躾もあっていいのではと私は考えます。