(一般質問)町民の「不」の緩和解消
※流れがわかるように、時系列を無視して質問の関連性で編集しました。以下から一般質問の内容となります。
町民が抱く、不安、不満、不便などの「不」を緩和解消し、今も未来も「しあわせ」を感じられる持続可能な町とするため、質問をさせて頂きます。
まず町民の「不」を浮き彫りにするため、昨年実施された行政運営基礎調査(町民へのアンケート調査)を検証します。
水害について
その調査結果で一番重要度が高かった、つまり町民が行政に一番求めていると言って過言ではない防災について伺います。災害の中でも最も不安を抱いているのは水害ではないでしょうか。ところで屋代地区では毎年各自治会の課題を抽出して、区長会で意見を取りまとめております。今年8月に行われた課題抽出の会議で、水に関する課題を挙げたのは、大笹生、竹中、中才、東本町、西本町、館の内、粡町、山崎、柏木目、三条目で、なんと課題を挙げた13自治会中、10もの自治会(約77%)が水に関するものでした。特に一本柳周辺での声は大きく、一本柳は過去50年間、幾度となく水害に見舞われ、幾度となく町に訴え、そして今も改善していない現状があります。
大雨による水害に関しては一本柳だけの問題ではなく、5年前に糠野目の下町周辺が浸水被害を受けたように、水害対策は町全体の課題として捉えなければならないと考えます。当町の公共施設には個別施設計画があり、長期的に施設の改修を行っているように、水害に対しても、ハード的整備を長期的な視点を持ち、計画や予算を立てて行うべきかと考えますが、町のお考えをお聞かせください。また現時点で予算化や計画までには至っていないが、今後水害対策を実施したいとお考えの地域等があれば、いくつか挙げて下さい。
水害の中でも一番町民が不安に思っているであろう事は、屋代川や和田川などの大きな河川の氾濫ではないでしょうか。もし氾濫等の危険性が事前に予測できれば、備えや避難が可能となり、被害を最小限に抑える事ができるかもしれません。ただホームページに掲載されております「高畠町防災マップの特徴・使い方」では想定しうる最大規模降雨量時の被害想定は記載されておりますが、水害が発生しうる降雨量は載っておりません。それは水防法で決められており致し方ないのかもしれませんが、町民が知りたい事は、最大雨量時の被害規模ではなく、 どのくらい雨が降ったら自分に被害が及ぶかという事ではないでしょうか。そこで屋代川や和田川の大きな河川において、どの程度の降雨量となれば、氾濫する危険性が高まるといったデータをお持ちでしたら、お教えください。合わせて、一本柳周辺において冠水が発生し得る降雨量、それに、もし一本柳周辺に抜本的な治水対策をするとすれば、どのような手段があるかと、その予算規模をお教え下さい。
(町の答弁)ただいまの、 竹田正樹議員のご質問にお答えいたします。
はじめに、 水害対策の計画についてお答えいたします。本町を流れる河川につきましては、そのほとんどが国又は県が管理しており、 町や地元が管理している河川は県管理河川の上流となる準用河川や普通河川と呼ばれるものになります。また、 農業用の用排水路の管理については、土地改良区や維持管理組合となっ ております。水害対策の計画でありますが、 国と県では、令和二年七月や令和四年八月と同規模の洪水等に対し、 浸水被害の軽減を図るため、 令和二年度から令和十一年度の十年間で三十七河川、 三十九か所を百五十六億円をかけて集中的に整備を行っ ております。 その中には、 屋代川、 そして和田川が含まれております。また、 農業分野では、 農村地域 防災減災事業として、 国・県・町、 それぞれが費用を負担し、柏木目地区の排水路の調査設計を令和八年度に実施し、 令和九年度から十二年度の予定で整備を図っ てまいります。町や地元が管理している準用河川・普通河川に対する長期的な整備計画は現在のところはありませんが、 河川の状況を把握しながら、対応を図っ てまいります。
次に、 今後、 水害対策を行うべき地域でありますが、 国・県が進めている「 最上川水系 流域治水プロジェ クト」 をはじめ、県が行っ ている河川の維持工事や町が進めている糠野目下町地区の調整池整備の効果を確認してからの対応となります。次に、 屋代川と和田川で氾濫の危険性が高まる降水量について、 お答えいたします。河川の氾濫については、 河川ごとに設けられている水位観測所の水位によりその危険性を判断し、 避難情報を発令するものとなっ ております。 この水位は、河川堤防の高さなどの状況に応じて設定されており、氾濫危険水位に達した場合には、 浸水想定区域内からの避難が必要と判断するものとなります。また、 気象台では、 それまでに降っ た雨による土壌雨量や予測雨量などから洪水警報を発表するなどしておりますので、 降雨量から被害を想定して避難するというよりは、 これらの情報を参考にしていただくことが望ましいと考えております。
次に、 一本柳周辺で冠水が発生し得る降水量について、 お答えいたします。一本柳周辺において冠水が発生する事象については、これまで述べた河川の氾濫によるものと異なり、住宅地などに降っ た雨が河川に排水されないことにより発生する内水氾濫であると思われます。住宅地等における雨水対策を目的として策定される「 下水道事業計画」 の「 雨水処理」 においては、一時間当たり四十ミリメー トルの降雨に対応することとされているところではありますが、 内水氾濫につきましては、 水路の閉塞状況や流れ込む河川の水位なども影響を与える現象であることから、一本柳周辺に限らず、 何ミリメー トルの雨で冠水等の事象が発生するのかをお答えすることは困難であります。
次に、 一本柳周辺における治水対策の手段と予算規模についてお答えいたします。現在、 県による和田川改修事業が実施されており、その整備効果の動向を注視して、 流域に当たる一本柳周辺の水害対策について、 検討したいと考えておりますので、 現時点での治水対策の手段及び予算はございません。(再質問)一本柳の治水対策を施す時期について伺います。和田川の改修が終了するのが、令和11年の予定の筈です。ご答弁の内容が和田川の整備効果の動向を注視して、という内容ですから、一本柳周辺の治水対策を検討し始めるのが工事終了後、そして動向を見ながら数年間。更に計画、着工、完了までプラス数年。合計しますと、およそ10年先の話と受け取れます。この認識でよろしいでしょうか。
(再質問の答弁)
[町長] 今現在、和田川の改修事業に着手しているところでありまして、第一にJRのところまで、上がその後も続くところもありまして。和田川の流れがどのように変わっていくかによって、道祖神の水量も、たぶん和田川が流れやすくなれば、その分だけ水が引けていくのではないかなぁと思っております。今の段階では和田川がいっぱいになると結果的に道祖神の水を飲み込まなくなって、その上流部が、いわゆる水が溢れるという状況もありますので、下流域から整備していくという事が、川を整備する事では重要な事かなぁという事で、その整備の状況を見ながら、今後対応を考えていくという事で考えておりますので、よろしくお願いいたします。(再質問)質問の内容としては、期間、どのくらいの期間、スパンという話をお伺いしたつもりなので、工事が終了したからという事なので、少なからず5年、10年先の話しという認識で考えてよろしいかという事をお答え頂けたらと思います。
(再質問の答弁)
[建設課長] 和田川の改修については、県の事業で今進んでおりますので、県の予算の付き具合で、どういった形で、進む年度についてはまだ不明で、明確にお答えできません。先ほどの国、県の事業としては、令和11年度ごろまでですが、その前にもしかすると終わるかもしれません。基本的には全体事業計画として最上川に付随する河川の事業計画の期間でありますので、和田川に関しては県の予算という事ですので、具体的な時期がわかれば議会の方にもお知らせしたいと思いますので、よろしくお願いします。
財政について
次に行政運営基礎調査で重要度が上から9番目、満足度が下から4番目と、大きなギャップがあった(重要度が上から9番目、満足度が下から4番目)「健全な財政運営の取組」について、町としての考えをお尋ねします。昨年12月の一般質問にて「財政状況の厳しさは続いておりますので、新たな行財政改革に取り組むよう、指示をいたしております」とご答弁を頂きました。この件に関しまして改革の進捗状況をお聞かせください。
(町の答弁)
次に、 行政改革の進捗状況についてお答えいたします。行財政改革は、 職員一人一人の意識改革から取り組む必要があると考えております。 そのため、六月に課長会で私が新たにキッ クオフ宣言を行い、続いて八月に町の現状、 将来の見通しなどを示した全職員研修を実施し、 意識の醸成を図りました。その後、 実施計画の策定や各課等への業務ヒアリングにおいて、 行財政改革の視点から事業見直しなどを行うよう指示しております。研修を実施し、 すぐに成果が表れるというようなものでもないと思いますが、 現在行っ ている予算編成の過程も含め、 今後成果が表れることを期待しております。(再質問)行財政改革を進めるために、6月に課長会でキックオフ宣言を行ったとの事でした。この件は、正直、高畠町が前進する新たな一歩を踏み出したと感じ、とても嬉しく、頼もしく思っているところです。ぜひ今後もみなさんのお力で改革を進めて頂けたらと思います。ちなみに8月に全職員に対して現状と将来の見通しの研修を行ったとの事ですが、さわりだけでもどういったものだったかお教え頂けたらと思います。
(再質問の答弁)
[企画課長] 8月の6日と8日に渡しまして、全職員を対象とした研修を実施致しました。講師は職員が自ら担いまして、行ったところでございます。先程議員もおっしゃったように人口減少社会における国の動向、あるいは町の現状と課題、そういったものを、やはり先程町長の答弁の中にあったように、職員一人ひとりの意識が大事だということで、その共通理解を図るために、まずは研修を行ったものであります。具体的にというと財政面の課題、あるいは人口が減る事によって地域社会の担い手が減っていった場合の影響はどういうものなのか、あるいは我々職員の、先程充足率というお話もありましたが、職員の問題、課題、そういったものを将来予測も含めて分析ものを職員間で共有したという研修でございます。
ふるさと納税について
高畠町が健全財政であり続けるには、歳入を増やす、 もしくは歳出を減らす必要があります。歳入を増やすには「ふるさと納税しかない」と、これも昨年12月の答弁でおっしゃられております。そこで、ふるさと納税を増やす手段として、現在どのような取り組みをおこなっているのか、そしてその成果として、どの程度の増収を見込んでいるのかをお聞かせください。
(町の答弁)
次に、 ふるさと納税を増やす手段と増収の見込額について、 お答えいたします。ふるさと納税を増やす取組といたしましては、ふるさと納税ポー タルサイトで寄付額が大きく左右される「 楽天」 の寄付額を伸ばすためのマー ケティ ングを令和四年度から外部に委託しております。マー ケティ ングを開始する前の楽天の寄付額は約六千三百万円でしたが、 マー ケティ ングを開始した令和四年度は 約一億二千六百万円、五年度は 約一億八千万円、今年度も十一月末日現在で 約一億二千万円となっ ており、 年々順調に寄附額を伸ばしているところであります。 合わせて、 農産物の返礼品の新規取扱事業者を増やすことや、 既に登録していただいている農産物取扱事業者からの数量増加の依頼をし、寄附額増加に繋げております。今年度の増収見込額としては、 約七千万円と見込んでおり、 今年度のふるさと納税寄附金額の歳入予算である、 五億円を超えるよう取り組んでおります。また、 七年度に向けては、 業務委託をしている中間事業者の体制を見直し、 各ポー タルサイトの町 及び 返礼品の紹介ペー ジの視認性を高める改修や、返礼品タイトルなどの見直し、 効果的なウェ ブ広告の活用などを積極的に進め、 ふるさと納税関連業務の効率化を図り、 更なる寄付額増加とふるさと納税に関する経費の削減に努めてまいります。(再質問)次に移ります。ふるさと納税についてです。ふるさと納税は毎年着実に上積みしておりますし、更に来年度以降も期待がもてるご回答を頂きました。ちなみに来年度のおおよその目標額をお教え下さい。
(町の答弁)
[商工観光課長] あくまで目標値という事になりますが、まずは今年度5億円を達成したいと思っております。次年度については6億円という事で見込んでいきたいなと考えているところではあります。(再質問)右肩下がりが多い中、上昇カーブを描くふるさと納税の増収は素晴らしいの一言です。これもすべて担当課、担当職員の方々の日々の努力の成果だと思います。
来年度見直す事業があるか
一方、歳出を抑制する一つの手段として、例えば事務事業をECRSの原則に則って中止、統合、組み換え、簡素化が図れるように、見直しを図っていく事も一つの手だと考えます。そこで来年度の予算編成おいて、事務事業で大きく見直す予定の事業があれば、お聞かせください。
(町の答弁)
次に、「 来年度の予算編成において大きく見直す事務事業があるか」 、 のご質問でございますが、内容によっ ては、 歳出抑制は町民サー ビスの低下につながるものもあるため慎重に検討しており、現段階でお示しできるものはございません。また、 「 見直し基準が存在するのか」 については、「 予算編成方針」 において、 事業目的を達成した事業、必要性・緊急性を欠く事業、 効率性が低い事業等は見直しの対象とするよう示しております。
事業計画について
また見直すにあたっての継続や廃止の基準などが存在するのかも、合わせてお聞かせください。恐らく「基準はない」というご答弁が返ってくる事かと推察されます。しかし、民間企業では事業計画に撤退条件を盛り込む事はよくあります。例えばユニクロのファーストリテイリングでは「3年以内に収益性が確保できない場合は撤退する」という条件があるようです。当町では僅かだったとしても受益者がいるからとか、そもそも事業評価が適当でないとか、一度始めた事業は止められない等の、合理性に欠く理由で改革が進んでいない気がしてなりません。 実際に中止を含めて改革すべき、見直すべき事業があるかを検証するため「第6次高畠町総合計画 前期基本計画の評価」を見たところ、KPIの約68%が現状から改善以上の値となっており、まずまずの成果となっておりました。
しかしKPIより重要なKGIの達成率は、約3割と低調であり、しかも計画策定時の平成31年より悪化したKGIが7割も存在します。そのような前期の反省からか、後期計画ではKPIが多数変更されましたが、もし後期計画実行中に前期のよう、目標、評価指標、事業それぞれの関係性が不明瞭だと認められた場合や、事業の効果や効率が不十分と判断された場合、町としてどう対応するかをお聞かせください。先に挙げた民間企業のように、当局が機動的に動けるよう、そして事業の効率を上げるため、私は事業計画に撤退条件を付け加えるべきかと考えますが、これに対しての町の考えをお聞かせください。
(町の答弁) 次に、 「 後期基本計画で関係性の不明瞭さや効率や効果が不十分と判断した場合の対応」 についてお答えいたします。限られた財源を有効に活用するために合理性を追求し、 最小のコストで最大の効果を目指すことは、官民の区別なく重要であると理解しており、私自身、 施政方針の中で「 効率的な行財政運営」 を、施策を推進するための重要な視点に掲げ、 施策の精査による無駄の排除を職員に指示しているところであります。その一方で、 民間企業では担うことのできない行政に課せられた使命についても同様に重要と捉えており、 過度な合理性の追及が社会的弱者の切捨てに繋がっ てはならないとも考えております。これらのことを踏まえつつ、 総合計画については、その達成度を単年度ごとに進捗を測っ ており、その中で事情により進捗を測る事業そのものがなくなっ た場合や事業内容が著しく変わってしまい、基本目標の達成に支障をきたすことが明白な場合に限り、 計画の部分的な変更を検討する場合もあろうかと思っ ております。次に、 「 事業計画に撤退条件を付してはどうか」 とのご質問ですが、 竹田議員ご指摘のとおり、後期基本計画は、 前期基本計画の反省と課題分析を踏まえて策定していることから、 一律的な撤退条件を付け加えることは今のところ考えておりません。
(再質問)事業の撤退条件についてです。これは私個人の着想ではなく、内閣官房地域活性化伝道師でまちづくりの専門家、木下ひとし氏の意見です。正直、全ての事業に対して撤退条件を盛り込む事は、流石に無理だという事は重々承知しておりますし、現実的でないことはわかっています。民間企業の新規事業もそうですが、最初から大きく事業を始めてはリスクが大きすぎます。ですので、民間ではテストマーケティングを行い十分に検証した後に事業を始めたり、スモールスタートを行ったりしてリスクを軽減します。当町の事業計画に撤退条件を入れる事も同じ事でして、最初から大規模で始めるのではなくて、テストを兼ねて一部の事業から撤退条件を盛り込む事を試みて、実証実験をしつつ拡大していけばいいと思います。難しいとは思いますが、いかがでしょうか。
(再質問の答弁)
[町長] 撤退条件という事でありますけど、条件をつけるという事になりますと、それぞれの課で業務をやっているわけですので、それぞれの課において、今必要でなくなったり、先程話したんですけど、もう事業を止めたらいいんでないかと、ある程度効果がなくなってきている、そういう部分から、そういう部分を中心に、そういう感覚で事業を見直す、そして今後のね、事業に反映させていく事になるんじゃないかなと思いますけど。なかなか小規模、金額が少なくても必要なものもありますので、町長がそれを全部細かく把握しないという状況もありますので、やはりそれぞれ職員一人ひとりが、その気持になって考えていく事が重要でないかなと思っております。(再質問)撤退条件を盛り込むという事は大きな痛手を回避するといったリスクヘッジという意義はもちろんですが、撤退する事により生まれる余力によって新たな事業にリソースを投入しやすくなるといった挑戦を増やす意義もあります。さびれた事は止め、新しい事にドンドン挑戦できる事は、町の発展性を高めるだけでなく、職員のモチベーションアップにもつながるはずです。この撤退条件を入れる事は一つの案ですので、まずはそういった考えもあるよね!と頭の片隅に置いて頂けたら幸いです。
町独自の農産物の認定基準について
さて将来の不安は財政だけではありません。農業においても、耕作放棄地、生産コストの上昇、後継者不在など、不安、不満、不足などが発生しています。そんな暗い状況下で、一粒の灯火となり得るのが、町独自の農産物の認定基準です。本年度中に環境に配慮した栽培方法で生産された農産物について、高畠町独自の認証制度を確立するとの方針が示されておりますが、この町独自の認証制度について、
①目的は何か
②販路開拓などの販売増の仕組みづくりを考えているのか、
③ブランド育成のための長期的な計画があるのか、
④効果をどの程度見込んでいるのか、
この4点についてお聞かせ下さい。
(町の答弁) 次に、 町独自の認証制度についてお答えいたします。この事業は、 有機栽培に準じて農薬や化学肥料の使用を控えて栽培された農産物に対して、認証を行うものでございます。実施主体は、 有機農業産地づくり推進協議会となります。事業の大きな目的は、 有機栽培や環境保全型農業により生産された農産物の地産地消の推進であります。これまで、 ゆうきの里と言われてはいるものの、「 町内で有機農産物をどこで買えるのか。 」 といっ た声が聞かれる実態にありました。一方で、 生産者側にも、 有機JAS認証を取得していないため、 有機栽培であることを消費者に伝えられないという課題もありました。本事業は、 そういっ た実態を受け、 有機農業等で栽培された農産物の「 見える化」 を図るものであります。認証を受けた生産者には、 認証シー ルを交付し、販売時にシー ルを張り、 併せて売り場に認証制度の説明文を表示してもらう予定です。地域認証の普及により、 安全安心のため、いわゆる無農薬の農産物を、 優先的に購入したい消費者の商品選択の一助となり、 消費拡大が図れること。 また、 消費拡大により、 生産者の取組も増えていくことを期待するものです。また、 可能な限り、 農薬の使用を控え、栄養価も優れた農産物の摂取を増やすことによる町民の健康増進、 加えて、 環境負荷を低減した農業生産への誘導により、 環境保全への貢献が考えられます。こういっ た取組の定着が進み、 学校給食への提供や食農教育とも関連させることにより、子どもたちの食と農への深い学びにつながり、教育的効果まで波及することも願っ ているところです。そして、 こういっ た地域づくりを進めていくことこそが、 地域のブランドとなるものと考えております。本事業については、 直売所等へ出荷される野菜や米を中心に想定しておりますが、 対象となる農産物はそれほど多くはないと見ております。有機農産物の市場規模は、 拡大傾向にはあるものの、依然として小さく、 都市部に比べ、 地方ではより限定的であると分析しております。そのような状況から、 運用開始直後から大きな動きに発展するとは見ておりません。まずは試行的に取り組みつつ、 地域内の流通規模を少しずつでも拡大させていけるように挑戦してまいります。
たかはたブランドについて
もし、認証制度の制定のみとなってしまっては、形骸化してしまったたかはたブランドの二の舞いとなります。実際にたかはたブランドの商品がどのように売られているかを、道の駅たかはたで調査しましたら、驚くことに全ての商品がブランドを標榜しておらず、たかはたブランドである事を識別出来ませんでした。
これでは顧客に対し商品の付加価値を伝えられず販売増には繋がりません。このままたかはたブランドを維持して、得るものがあったとしても、それは予算の浪費や担当職員の労務というマイナスの効果だけになります。たかはたブランドをこのまま形骸化したまま継続させるのか、それとも成長させるために予算を増やしていくのか、もしくはフェードアウトさせるのか、町の考えをお聞かせください。
(町の答弁) 次に、 たかはたブランドの今後の対応について、お答えいたします。はじめに、 たかはたブランド事業は、 地域ブランド戦略として、 他地域との差別化を図るため、地域産品等の価値を高め、 モノと地域の両方をブランド化し、 消費拡大を促し、 最終的には地域経済の活性化を目指すため、 平成十九年度より「 たかはたブランド」 として、 加工食品を中心に町独自の認証を行っ ているものであります。これまで、 町が認証した商品の事業所等で構成される、 たかはたブランド認証事業所協議会を中心に、 町商工会、 観光協会等と連携し、JR仙台駅、上野駅、 秋葉原駅、 大宮駅での「 たかはたフェ ア」 の開催や太陽館売店でのギフトセッ トである美味玉手箱など、 地産品の販路拡大に努め、 一定の効果があっ たものと考えております。 近年では、 ふるさと納税事業において、 町の返礼品として全国の寄附者の方に町のプロモー ショ ンの一環としてご紹介し、 また毎年幕張メッ セで開催される食品流通業界の大型展示会である「 スー パー マー ケッ ト・トレー ドショ ー 」 等へ出展しながら各事業所の持つ商品を通して、 全国の小売業、 食品バイヤー に本町の食品加工品の品質の高さを訴求することで地域ブランディ ング及び認知度向上につなげる取組を実施してまいりました。しかしながら、 地域ブランディ ングの確立までには、まだ至っ ておらず、 取組としても課題が残る状況にあります。 町内の生産者と食品加工製造事業者が連携したものづくりとして、 地元でとれた農産物を加工した安心安全な商品開発など、 多分野との連携によるブランド化をしていくことが事業発展に繋がっ ていくものと考えております。 今後については、たかはたブランド認証事業所協議会の会員の皆様と、現状を把握し、 課題の整理を行い、 たかはたブランドの在り方について、 協議を進めてまいります。
マーケティングの研修実施について
農産物の町独自の認証制度を、たかはたブランドのように形骸化させず、期待する効果を得るためには、4P戦略(Product、Price、Place、Promotion)をはじめ、ブランド育成のための様々なマーケティング戦略や戦術が必要です。今年6月の一般質問で「マーケティング的視点を持って業務に従事することができるよう、研修等を通じて養っていくことも必要であると考えております。」とご回答頂きました。そこで現在までにマーケティングについての研修を実施したのかをお聞きします。また具体的にマーケティングのどの分野を研修したのか、そして研修結果をどのように町政に活かしていく考えなのかも合わせてお聞かせください。なお、まだ研修を行っていない場合は、今後の予定をお聞かせ下さい。
(町の答弁) 次に、 マー ケティ ングの研修内容、 それをどう町政に活かすか、 について お答えいたします。現段階では、 町が直接実施したマー ケティ ング関連の職員研修はございませんが、 若手経営者等を対象として実施している「 高畠町リー ダー 経営人材育成塾」ではマー ケティ ングの講座も実施しており、 伴走者や事務局となっ ている職員が受講しております。このほか、 特にマー ケティ ングの知識を必要とする商工観光課の職員については、 商工会の創業セミナーや観光に関連するセミナー など、 マー ケティ ングの要素を含む外部研修や、 観光庁が委託して実施する「 観光マー ケティ ング分析支援講座」 を受講し、マー ケティ ングの考え方や手法などを研修しております。また、 今年度については、 山形県町村会が主催する「 持続可能な地域づくりに関するセミナー 」 において、自分の町村デー タや地域事例を活用しながら定住戦略を考えるなど、 マー ケティ ングの考えを取り入れた研修を実施しておりますので、 このセミナー にも職員二名を派遣しているところであります。今後も、 このような研修に職員を派遣するなどし、計画の策定や政策立案、 事業の企画等に活かしていきたいと考えております。
町職員の状態について
町民が抱く「不」には水害や財政状況の他にも多数あります。小さなものでは、「町道脇の歩道を草が塞いでいるから刈って欲しい」との声があったりします。要望に応えるためにその作業を本来業者に委託すべきところですが、予算の都合により、職員自らが仕事の合間を縫って草を刈ったり、他にもアスファルトの補修を行ったり、涙ぐましい努力をなされております。
しかしこれでは、多忙で有要な業務に手が回らなくなったり、業務の質が低下したり、更には職員のモチベーション低下にも繋がりかねません。このような状態に陥っていないかを確認するため、町職員のストレスチェックの結果が、以前と比べ悪化していないか、離職者や休職者が増えていないかお聞かせ下さい。
また20年後の2045年には町村職員の充足率が64.6%に低下するとの予測がありますので、町として職員の充足率維持のために、今後どのような対策を考えているかもお聞かせ下さい。
(町の答弁) 次に、 町職員のストレス状態、 離職・休職の変化度合いについて、 お答えいたします。本町においても、 実施が義務付けられた平成二十八年度より、 職員へのストレスチェ ッ クを実施しております。 ストレスチェ ッ クは、 職員のストレス度合いを把握するとともに、 職員自身のストレスへの気づきを促し、 一次予防として、メンタル不調の未然予防のため実施するものであります。ここ数年のストレスチェ ッ クの結果を見ますと、実施年度により数名程度の増減はございますが、「 高ストレス者」 が増加しているといっ た傾向はありません。同様に、 ここ十年ほどの定年退職者を除く「 早期退職者」 「 自己都合退職者」 は、 同程度で推移しており、 こちらも特段の増加傾向にはありません。一方で、 本町に限っ た傾向ではございませんが、メンタル不調を理由とし、 病気休暇等を取得している職員は、 近年増加傾向にあります。病気休暇等を取得している職員のメンタル不調の主な要因については、 職場におけるストレス要因のみならず、 家庭・個人生活等の職場外のストレスの影響を受けている場合も多いことから、 一概には申し上げることはできない状況ではございますが、引き続き職員が働きやすい職場づくりのため努めてまいりたいと思います。
次に、 職員の充足率についてですが、 竹田議員ご指摘のとおり、 二〇一八年度を一〇〇とした場合、行政サー ビスを維持するために必要な職員数に対する将来の地方公務員のなり手の割合を示す「 充足率」 が、二〇四五年度には、 町村において六~ 七割程度になるのでは、 といっ た推計が出されております。この推計は、「 今後も高齢化に伴う医療や介護へのニー ズの高まりが継続すること」「 変わらずライフラインの維持管理が必要であること」 などから、一部行政サー ビスについては、 将来的にも拡大・継続が見込まれ、 公務員のなり手の減少に比べて、必要な職員数の減少が緩やかであることから生じるものであると思います。将来的な充足率の維持のためには、「 更なる行政事務のデジタル化を進め、行政サー ビスをより少数の職員で提供すること」「 近隣市町と連携し、 広域で行政サー ビスを提供することで、 限られた人員で効率的に業務を行うこと」「 ライフラインの維持や行政事務のデジタル化の推進、 医療・介護のニー ズへの対応等のため専門人材を育成すること」 、前段も申し上げましたが「 町が直接担うべき業務の取捨選択を進めること」などを行いながら、 必要な職員数となり手とのバランスを図ることが必要ではないかと思います。今後も社会情勢の変化を見据えながら、行政サー ビスの維持のため、 様々な方策に取り組んでまいります。
しごとコンビニついて
人手不足は町職員だけではなく、多くの分野で将来発生しますし、現実にもう始まっています。この人手不足対策としてリクルートワークス社では、ワーキッシュアクトを提唱しています。このワーキッシュアクトとは本業・仕事以外で何らかの報酬を得るために誰かの何かを担う性質がある活動の事と指します。
このような取り組みは、今年10月に総務文教常任委員会で、視察に伺った岡山県奈義町で「しごとコンビニ」という形で実際に行われております。当町でも人手不足を補うため、そして人と人とのつながりを増やして、共助社会を構築するため、「しごとコンビニ」は参考にすべき先行事例と思いますが、町としての考えをお聞かせください。
もしも町職員の心身が危惧されるような状態に陥っているのであれば、効果の薄い事業を中止したり、DX化を進めたりして、労務負荷を減らさなければならないと考えます。そこで効率化を図るための当町のDX化の取組状況をお聞かせください。また類似団体や近隣市町村と比較しての優劣もお聞かせください。もう一つ、来年新庁舎に移行してから、労務は軽減されるのかもお聞かせください。
(町の答弁) 次に、 人手不足を補うため、 しごとコンビニを参考にしてはどうか、 について お答えいたします。しごとコンビニは、 仕事を通じて多様な人の望む生き方を実現することを理念に、 人を起点とした「 ひとづくり」 と「 しごとづくり」 を官民連携で行う業務委託型短時間ワー クシュ アリング事業と理解しております。 本町も抱える少子高齢化や人口減少、人手不足などの様々な課題とも繋がりが深く、そうした課題解決手法のひとつにもなっ ているものと考えております。本町といたしましては、 まずは、 しごとコンビニを導入している先進自治体から情報収集するとともに、町内事業所へのニー ズ調査等の検討を進めてまいります。
次に、DXの取組状況についてですが、 諸証明書のコンビニ交付を開始し、 全国のコンビニエンスストアで諸証明書が取得できるようになっ たこと、パソコンや携帯からオンラインにより一部の手続きができるようになっ たこと、 さらに、ロボティ ッ ク・プロセス・オー トメー ショ ン、いわゆるRPAの活用により職員が繰り返し行う定型的な業務について自動化するといっ た取組を現在進めているところであります。これらの取組により、 住民の方は役場に足を運ぶことなく手続ができるだけでなく、 職員がこれまで窓口で対応していた業務が軽減されるなど、利便性向上に繋がるものと考えております。また、 類似団体や近隣市町村との比較でありますが、 本町を含め、 全国的にDXの取組自体が始まっ たばかりの自治体が多いと思われますので、今後の取組の推進状況や効果検証により比較優劣が見えてくると思われます。次に、 新庁舎移転後における労務の軽減につきましては、 現在取り組んでいるDXに加え、これまで通常使用するパソコンについては、 有線でネッ トワー クに接続する必要がありましたが、新庁舎移転後は、 無線接続になるため職員が時間や場所に縛られずに柔軟に業務を行える環境が構築されます。 ペー パー レス化や容易なオンライン会議の実施等が可能となり、 効率の向上が図られるものと考えております。また、 これまで紙により行っ ていた出退勤管理や時間外業務管理については、 これらの管理システムを導入することで準備を進めております。このシステムの導入によっ て、 職員による管理業務が容易となり、 労務軽減に繋がるものとその効果を期待しております。新庁舎の移転によっ て全ての課題が即時解決するわけではありませんので、 新しい環境に合わせた運用ルー ルの整備やさらなるDXの推進等により継続的に改善を図っ てまいりたいと考えております。
人口減少社会への対応について
将来、人手不足や労務負荷はもっと深刻になる可能性があります。当町の人口は15年後の2040年に、現在の四分の一の、約5千人が減ります。この減少は屋代地区の住民より多い数となります。この減少はゆっくりと着実に実現します。この減少は町民の幸せを蝕む可能性があります。個人的に人口減への対応は、一丁目一番地と捉えており、これまでEBPMやマーケティングを活用して、効率化を図る事での対応を提案してきましたが、町としての人口減社会への対応が全く見えてきません。対応が見えないという事は、15年後に起きる約5千人の人口減は、私が思うより心配がいらない事なのでしょうか。人口減少の不安は行政運営基礎調査には出てきませんでしたが、多くの町民が抱く不安の一つです。もし人口減が無用の心配であれば、その根拠をご説明いただき町民の不を解消して下さい。逆に対策が必要なものであれば、今後具体的に町として、どのように動いて行くのかお聞かせ下さい。
(町の答弁) 最後に、 「 人口減少は杞憂き ゆ うなものか。 そうならその根拠の説明、 逆ならどう対策するかの方針」 についてお答えいたします。日本の総人口は、 平成二十年の一億二千八百八万人をピー クに減少局面に転じており、 以後十五年あまり経過しております。高畠町の人口は、 町政要覧に記載している、昭和四十年以降、 毎年減少の一途を辿っ ており、人口減少は、 当然、 杞憂なものではありません。町といたしましては、 高齢化が進行し、人口減少が避けられない中にあっ ても、 地域産業の振興を図り、 人口減少のスピー ドを鈍化させるために様々な施策を展開するなど、 地域社会が持続可能なものとなるよう努力しているところでございます。特に、「 少子化に歯止めをかけること」 を優先的に取組むべき課題と捉え、 子育て世代に対する施策を進めているところであります。しかしながら、 人口減少はそれぞれの自治体の努力だけでは解決できる問題ではありません。 国全体として人口減少問題に今まで以上に重点を置き、少子化対策、 こども・子育て政策をさらに強化する必要があると考えます。このような現状を踏まえ、 今後も、 町として解決しなければならない課題が数多くある中でも、これまでと同様に、 子育て世代への施策について、優先的に進めてまいりたいと考えております。
以上で、 竹田正樹議員のご質問に対する答弁を終わります。(再質問)人口減少社会への対応についてです。高畠町公共施設等総合管理計画では、今後の方針として「単独で対応困難な施設については、必要に応じて広域連携や支援を受ける仕組みを検討します」と書かれております。施設だけでなく事務事業についても、近隣市町村との連携を模索するのも、人口減少社会への対応手段の一つと思いますが、現時点でそういった広域連携を実施しては?と議題にあがっているものはあるでしょうか?
(再質問の答弁)今現在これからの部分で、俎上に上がっているものはないんですけれども、今現在広域的な電算化そういうことでの各市町の一緒になって取り組む。例えば税の計算、税金を計算する、そういうものはやっておりますので、あとは消防とか、し尿とか、ごみ処理、その部分で近隣市町村と、置賜全域でそういう取り組まれるものについては、取り組んでいる状況でありますので、まぁ今後広域的な取り組みができる部分があれば、今後いろんな部分で検討、協議をさせていただいて、検討してまいりたいと思っております。
(再質問)最後の質問というかお願いです。人口減少の弊害として、あまり話題となっていないのが、買い物難民です。2040年頃には最寄りの商店の廃業、小売店の撤退、コンビニの閉店が発生し、高齢の方が買い物難民になるかもしれません。個人商店の高齢化による廃業は誰でも想像できると思います。小売店とコンビニに関してですけど、ある小売店は人口2万人以下の市町村に店舗は存在しません、県内のコンビニは平均で2700人に1店です。どちらも人口が減っては店舗数を維持するのが難しくなることがわかります。ちなみにコンビニは計算通りなら2040年には半減します。このような悲観的な未来が見えれば、何とかしなきゃね!となりますが、現時点では将来像がおぼろげで、備え、そこまでいかなくても未来への議論が十分になされてないような気がします。人口減少社会への対応のため、ざっくりとしたお願いとなりますが、各分野で未来予測を行っていただく事をお願いしたいです。町長お願いします。
(再質問の答弁)人口減少は、これは避けて通れない部分でありますし、人口が増加するという事はまず考えられないという状況もありますので、減少にあわせたかたちのいろいろな対策は今後講じていきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。