地域課題解決型事例勉強会

気仙沼でSLOW HOUSEを営む杉浦恵一さんを迎えての勉強会でした。

杉浦さんをお知りになりたい方はこちらのYahooニュースをご覧ください

内容は主に杉浦さんの人生回顧とSLOW HOUSEについてでした。

杉浦さんのSLOW HOUSEは、スローをテーマにした短期でも泊まれるゲストハウスと、長期でも滞在できるシェアハウスをかけ合わせた宿泊施設です。

杉浦さんの話で一番印象に残ったのは、

いっぱい世話になれば、世話をしたくなる

という言葉です。

これは返報性の原理によるものだと思います。

返報性の原理とは、相手から何かを受け取ったときに「お返しをしたい」という心理効果です。社会心理学者であるロバート・B・チャルディーニ氏の著書「影響力の武器」で紹介され、人間の社会的行動の根本的な動機の一つとして認識されています

現代、人間の希薄化が進んでおり、コミュニティが崩壊しつつあります。
そんなご時世でどうやって共助社会を築けるか考えていたところ、杉浦さんの話からヒントを得た気がします。
人と人との関わりが希薄化したとはいえ、現実は誰かが誰かの何かを担っており、誰しも一人では生きていません。
お腹が空いた時、昔は母親が食事を用意してくれました。
今は母親が食事を準備してくれなくても、コンビニに行けば食事にありつくことが出来ます。
このように現代において大抵のことは、家族や身近な人に世話にならなくても生きていけるため、誰かにお世話になったという有難味を感じる事ができなくなっています。世話になった感覚がないので、もちろん誰かの世話をしたいという人間味ある感情が湧いてきません。
そんな社会環境の中、行政があの手この手で人と人との関わりを創出しようと試みますが、自分ひとりで生きている感覚で、それに世話になっている感覚もないので、コミュニティ形成はうまくいきません。
この状況を打開するには、世話になっている感覚を醸成する事だと、「いっぱい世話になれば、世話をしたくなる」という言葉で気付かされました。小中学生の時に世話になっている事を自覚させる事、そして誰かの世話して感謝される喜び、それを教育の中に取り入れる事ができれば、10年先、20年先の未来は人と人とが助け合う社会に近づけるのではないかと思います。

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