小学校の将来について

これまでの検討委員会の会議録などは以下の高畠町のホームページに掲載されています。
高畠町立小学校教育環境等検討委員会
概要(全体像)
- 本委員会は「高畠町立小学校の教育環境(適正規模・配置、再編・統合を含む)」について調査・検討し、教育長へ提言するために設置された。
- 任期は委嘱日から令和7年9月30日まで。令和6年11月から令和7年9月までに全8回の会議を開催した。
- 会議は非公開だが、会議録は町ホームページで公開する取り扱いとした。
- 町の現状共有として、昨年度の出生数は約90人、昨年度の中学校卒業生は約200人、築40年以上の小学校が4校あること等が示された。
- 検討材料として、児童生徒数の推移、学校施設の現況、保護者・住民向けアンケート(令和5年11月実施、対象は保護者全世帯+16歳以上で合計約3,000人配布)、学力・学習状況調査の結果、国の審議会(教育課程)資料などが提示・説明された。
- 検討の積み上げを経て、令和7年9月29日に委員会としての提言書を教育長に提出して終了した(提言の具体的内容の可否等は教育委員会が今後の計画策定で扱う前提)。
第1回
- 委嘱書交付、会の非公開・会議録公開の取り扱いを確認。
- 役員選出を行い、委員長・副委員長が決定。
- 事務局から児童生徒数の推移、学校施設の現況、アンケート結果の概要が提示された。
- 町の状況として、出生数約90人/中学卒業生約200人、築40年以上の小学校が4校であることを共有。
- 次回日程を設定。
第2回
- 町内小学校の取組の説明とともに、中央教育審議会の諮問(令和6年12月25日付)の概要を共有。
- 将来像のグループワークを実施し、「今の小学生が15年後に社会に出るときに必要な力・学びの環境」を多面的に洗い出した(例:コミュニケーション、主体性、食・食農、読書環境、挑戦・諦めない力、AI時代に必要な思考力、図書館の充実、キャリア観、挨拶や基礎的態度、メンタルのしなやかさ など)。
第3回
- 第2回で抽出した将来像項目について、優先順位づけと骨子整理を実施。
- 重点視された軸は、概ね主体性、他者との関わり・コミュニケーション、立ち直る力(レジリエンス)、思いやり、それらを支える健康と要約された。
第4回
- 学力・学習状況調査の結果から、児童の現状を確認。
- 併せて、学校外から学びを支える環境(地域・公民館・外部人材との連携)や、今後の検討の段取りについて事務局が示した。
第5回
- 「統廃合の議論で大事にしたいこと」をテーマにグループ討議。
- 出された観点(事実としての列挙):地域との関係性・行事の継続、学びの質の確保、複数学級の意義、移動・通学の安全、学用品・施設設備や空調などの環境整備、学校間交流の設計、保護者間のつながり形成、情報発信と合意形成の進め方、段階的な進め方の可能性など。
第6回
- 検討を継続しつつ、「小学校の適正規模」を具体議題に設定。
- 委員会の任期は9月までであることを再確認し、方向性の大枠・懸念点の整理を促す運営が行われた。
- 規模や配置の話題に触れつつも、最終的な校数・場所・時期といった決定はこの時点では行っていない。
第7回
- 「これまでの検討のまとめ」「提言(案)」「次回の進め方」を確認。
- 次回(第8回)で事務局が修正案を提示し、承認のうえ教育長へ提出する段取りを整えた。
第8回
- 事務局から提言書(案)の修正点が説明され、章ごとに確認。
- 委員会として提言書を採択し、教育長に提出した。会議としてはこれをもって集約・終了。
横断整理(委員会が扱った主な「事実」と「検討視点」)
- 人口・就学環境の事実
- 出生数の減少(昨年度約90人)、中学校卒業生約200人。
- 小学校施設の老朽化(築40年以上の校舎が4校)。
- 児童生徒数の推移と将来見通しに基づき、再編・統合の検討が避けられない土台が共有された。
- 検討のための資料・根拠
- 児童生徒数推移資料、学校施設の現況資料。
- 令和5年11月実施の教育環境アンケート(保護者全世帯+16歳以上へ計約3,000部配布)。
- 学力・学習状況調査の結果。
- 国の教育課程に関する審議会資料(令和6年12月25日諮問概要)。
- 将来像(子どもに必要な力)を核にした価値整理
- 主体性、他者との関わり・コミュニケーション、立ち直る力(レジリエンス)、思いやり、基礎としての健康。
- 学びを支える環境要素として、学校間・同世代との交流、多世代・地域との関わり、食・食農体験、読書・図書環境の充実などが挙がった。
- 統廃合を議論する際の着眼点(列挙)
- 規模:複数学級の意義、目配りのしやすさ、適正規模の捉え方。
- 配置・段取り:一足飛びでなく段階的に進める選択肢。
- 安全・通学:移動距離や通学動線の安全確保。
- 施設・設備:体育館空調など学習環境の更新・充実。
- 地域連携:地域学校協働活動の継続、公民館等のハブ機能、地区行事の承継。
- 保護者・地域の合意形成:情報提供、懸念点の把握と説明、保護者間のつながり支援。
- 学力・学びの質:規模・再編と学力の関係に注意しつつ、環境面での手当てを検討。
- コミュニケーション計画:学校・地域・保護者の前向きな連携を損なわない進め方。
提言書まとめ
町内小学校の再編・統合は議論・検討を進める時期に来ているという共通認識。
ただし、小規模学級(小規模校)の良さもある。仮に統合で規模が大きくなる場合でも、小規模校の良い点をどう取り入れるかを併せて検討すること。
学校施設は“これからの時代にふさわしいもの”へ更新していく必要がある。
統合が進むと学校と地域の関係が希薄化する懸念がある。
学校運営は「先生に任せきり」ではなく、地域の大人が“自分事”として関わる体制が不可欠。
地域人材の教育参加(体験学習・職場体験・公民館事業への参画など)を通じて、子どもが大人と関わる機会を意図的に増やす。
学校は地域にもっと開く。教育委員会は「地域で子どもを育てる取組」を一層推進する。
学校のみならず、地域の活動や“地区を越えた交流”も教育環境として併せて検討する。
再編・統合を議論する際は、学校・地域・保護者の“前向きな連携”が大切である。

