屋代地区助け合い支え合いの地域づくり会議

mahaLim「ごちゃまぜハウス」の取り組み
目指すのは、「お互いさま」が息づく優しい地域の姿。
- Step 1. 気づき:小さな変化に気づき、声をかけあう
- Step 2. つながり:孤立させず、人と人とのふれあいの場をつくる
- Step 3. 支え合う:誰もが持っている力を発揮し、助け合う
ひろすけ童話「泣いた赤鬼」の精神。
思いやりの心を持ち、青鬼がそっと手を差し伸べたように、みんなで支え合う社会の実現を目指して。
しかし、縦割りの「制度の枠」からは、見えないSOSがこぼれ落ちてしまう。
- 「高齢者」「子ども」「障がい者」「妊産婦」
- 対象者ごとに分断された縦割りの支援。
- 事象:子どもの不登校、食事・学習の遅れ。
- 「本当に孤独だったのは、子どもを支える大人(母親)の方かもしれない」
- 事象:親の孤立、自己嫌悪、休息の欠如。
誰かの自己犠牲の上に成り立つ福祉の限界。
分断された支援から、すべてを包み込む「ワンストップ」の受け皿が必要です。
答えは、誰もがありのままでいられる「社会の縁側」をつくること。
「人は人の中で育つ」
現場と制度の限界
志が高い人ほど燃え尽き、優しい人ほど抱え込む構造的ジレンマ。
社会の縁側
誰かの指示で作られる場所ではなく、みんなで作り上げていくパワースポット。
世代ごとの課題をリンクさせ、まとめて解決する新しい福祉の形です。
山形県初の多世代型居場所『ごちゃまぜハウス』の挑戦。
- 所在地:山形県南陽市棚塚
※画像上は「棚塚」と読めます。 - 2025年2月法人設立
- 複数世代・課題に横断的に対応し、地域の壁を越えて交わる「心の居場所」。
mahaLimの由来
mahalo(ハワイ語:ありがとう)
+ Life is mine(人生は私のもの)
=「あなたが自分らしく生きられますように」
誰かが誰かの「パズルのピース」になる、ごちゃまぜの魔法。
こども支援
放課後の居場所。
多様な大人の中で、ありのままを受け入れてもらう体験。
女性・妊産婦支援
母親を「降る」リフレッシュ時間。
孤立を防ぐピアサポート。
不登校・ひきこもり
未就学児のお世話を自ら担当。
「自分の居場所はここにある」という実感。
高齢者支援
地域のばあちゃんが若者に知識や料理を提供。
失われがちな「役割」の再生。
足りないところがあってもいい。不格好でもいい。
「支援する側/される側」の境界線が溶ける空間。
成長と安心を生み出す「2つの食卓」の役割。
【金曜日】子ども食堂マハリム
- 300円(※基本無料)
- 交流・安心できる居場所づくり
- 多世代と食卓を囲み、ありのままを受け入れられる安心感
- 地域福祉の入り口(無償のセーフティネット)
【水曜日】子ども料理教室
- 1,500円
- 生活力の向上・自己肯定感の育成
- 自ら作り、誰かに教え、自立へ向かう成功体験
- 活動を持続可能にするソーシャルビジネス
「かわいそうな子ども」への支援から、「誇りを持つ主体者」への投資へ。
従来の福祉の形
- 構造:支援する側(与える)vs 支援される側(受け取る)
- 課題:受け身になりがちで、「施し」という感覚が抜けきれない。
mahaLimの挑戦(新しいソーシャルビジネス)
- 構造:1回1,500円の「受益者負担」。料理を通じて自ら学び、家族に振る舞う「主体者」へ。
- 成果:「できた!」が増えることで高まる圧倒的な「自己肯定感」と「生活力」。
「自分で作った料理を“家族にふるまいたい”」
——支援される側ではなく、誇りを持って自立する一歩。
優しさを長続きさせるための、ボランティアとビジネスの「両輪」。
想い(ボランティア・無償支援)
守るべき支援:
- 子ども食堂
- 緊急時のセーフティネット
- 誰でも居られる無料の空間
「稼げない福祉は、誰も守れない」。
透明性を持って正直にお金の話をする。
人を雇い、建物を維持し、支援を続けるための構造。
開所直後から浮き彫りになった、地域の「安心できる居場所」への渇望。
手書きメッセージ:
こどもしょくどうへ
いつもめんどうをみてくれてありがとうございます。
10月の総利用者数:189名
内訳として読み取れるもの:
- 料理教室:37名
- こども食堂:73名
- イベント等:25名
- その他相談等
事前の想定を大きく上回る利用者の伸び。
これは単なる数字ではなく、「それだけ多くの人が、制度の枠外で“安心できる居場所”を求めていた」という地域社会のSOSと希望の表れです。
会議室の制度も大切だけど、玄関先の「おかえり」が未来をつくる。
Step 1:知る・繋ぐ
身近な困窮者を「社会の縁側」へ繋ぐ
Step 2:支える
モノの提供から、心を支える対話のきっかけへ
Step 3:共創する
行政の手が届かない領域を民間とネットワークでカバーする
組織内の「共助」から、地域社会全体を包み込む「互助」のネットワークへ。
一緒に、誰ひとり取り残されない「帰る場所」をつくりませんか。
二井宿の取り組み
二井宿地区では、令和5年度から「助け合い支え合いの地域づくり会議」が開かれてきた。令和8年度からは、助け合いや支え合いの基本にある「おたがいさま」の気持ちを大切にする意味を込めて、「おたがいさま会議」という名称に変更された。
この会議では、二井宿に住む人たちが、これからも暮らしやすい地域であり続けるために何が必要かを話し合っている。人との交流が減り、これまで行ってきた地域活動を同じように続けることが難しくなっている中で、地域のつながりをどう維持していくかが大きなテーマとなっている。
資料を読んで特に重要だと感じたのは、二井宿地区が「助け合いのある地域」である一方で、困りごとがあっても「手伝ってほしい」と言えない人がいるかもしれない、という視点である。地域福祉では、支援制度をつくることだけでなく、困っている人が声を上げやすい関係性をつくることが重要になる。
おたがいさま会議には、公民館関係者、区長会、民生委員、地域団体、集落支援員、老人福祉相談員、相談支援専門員、小地域見守りネットワーク支援者、生活支援コーディネーターなどが関わっている。地域のさまざまな立場の人が集まり、福祉を専門職だけに任せるのではなく、地域全体で考える形になっている点が参考になる。
話し合いをもとに作成された「二井宿地区福祉活動プラン」では、目標として「いつまでも住み続けたい地域をつくろう!」を掲げている。内容は大きく二つある。
一つ目は、世代を超えたつながりのある地域をつくること。あいさつを大切にし、顔の見える関係を続けること、地域行事や地域の良さを多世代で受け継いでいくことが示されている。
二つ目は、お互いさまの気持ちで支え合う地域をつくること。孤立や孤独をなくし、困ったことを助け合っていくことが目標とされている。
また、地域の困りごとを把握するためのアンケートも行われている。現在までの協力者24名の結果では、困りごとが「ある」と答えた人が50%、「ない」と答えた人が50%だった。困りごとの内容では、除雪が29%、庭の除草が18%、会話する人がいないことが14%となっている。そのほか、通院、歩行の大変さ、家の片づけ、住まいの修理、洗濯、掃除、炊事なども挙げられている。
この結果から、地域の困りごとは一つに限られず、生活の中の小さな困難が積み重なっていることが分かる。特に、除雪や庭の除草などは、体力的な負担が大きく、高齢化が進む地域では今後さらに課題になる可能性がある。
具体的な取り組みとして、庭の除草で困っている人に対し、太陽の家の就労支援の協力を受け、1時間500円で除草をしてもらえる活動が検討されている。これは、困っている人を助けるだけでなく、就労支援にもつながる仕組みであり、地域福祉と福祉的就労を結びつける事例として参考になる。
さらに、お買い物ツアーも計画されている。買い物支援は、移動手段の確保だけでなく、外出機会や人との交流にもつながる。生活支援と孤立防止の両方の意味を持つ取り組みといえる。
今回の資料から、地域福祉は大きな制度だけで成り立つものではなく、日常生活の中にある小さな困りごとを地域で受け止める仕組みが重要だと学んだ。特に、「困っている人を探す」のではなく、「困ったときに言いやすい関係をつくる」ことが、これからの地域づくりに必要だと感じた。
二井宿地区の取り組みは、住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、地域住民、関係団体、専門職が一緒になって考える実践例である。高齢化や人口減少が進む中で、他の地区にとっても参考になる取り組みだと感じた。


