以下の内容は2022年12月に町が募集した「コンパクトシティ」について、私が書いたパブリックコメントです。

前置き

コンパクトシティ化は唯一高畠町を存続させる手段だと思いますので個人的に大賛成です。これから様々な勝手な意見を書かせて頂きますが、素人の勝手な発想ですので、絵空事だったり、的外れだったりもするかもしれません。ほんの僅かでも活用できる部分があれば幸いです。ところで、この度のパブリックコメントの提出にあたり、都市計画マスタープランなどの公的資料をいくつか拝読させて頂きました。正直これほど役場の方々が高畠町の事を緻密に分析し、そしてこれほど熱心に将来を計画しているとは知りませんでした。皆様の努力に頭が下がります。ありがとうございます。

コンパクトシティを進める前に考察すべき事項

◉ コンパクトシティ化は、高畠町都市計画マスタープランをベースとして策定されるものと推測されます。都市計画マスタープランおよび、たかはた未来創生人口ビジョンを拝見しましたら、2040年時点での高畠町の人口目標が約20,300人とされておりました。その20,300人となる根拠は合計特殊出生率が1.6から1.8人に改善し、純移動率が2015年以降1.5%のペースで改善する事を前提したものでした。しかし一般社団法人持続可能な地域社会総合研究所のシミュレーションでは2040年には高畠町の人口が16,463人と試算(同研究所試算では合計特殊出生率が4人にならないと20,300人は達成できません。また、たかはた未来創生人口ビジョンは2010年の国勢調査を基としてますが、同研究所は2015年の国勢調査を基にしてますので、後者の方が精度が高いと思われます)されており、更に令和元年の全国平均の合計特殊出生率は1.36人です。少子化は止めるどころか、出産の意欲低下および、様々な健康上の理由による生殖能力の低下にから、どんな施策を実施しようとしても、今後更に進行する事の方が確率は高いと予想されます。よって20,300人をベースとしたコンパクトシティ化は、人口の予測値の不正確性から将来多くの問題が発生する可能性が考えられます。よって、まずコンパクトシティ化を進める前に、将来(2040年時点)の①確度の高い人口予測、②町内の人口分布、③財政状況を推定すべきだと考えます。
◉ 高畠町町民の幸せが最優先すべきものとして、コンパクトシティ化が幸せに繋がるのか、それとも近隣市町村との合併が幸せに繋がるのかをシミュレーション及び議論を今すぐにすべきと考えます。高畠町単独で存続するより合併した方が町民の幸せに繋がるのであれば、コンパクトシティ化を廃案し合併の道を模索するのも一つの手段と考えます。
◉出産数増による人口増は可能性が低いと考えられるので、流入増を目指すべきと考えます。それには高畠町に引っ越したいという誘引が必要となってくるわけで、事業活動として成功例が多い特化する事、つまり「何らかに特化した町」を創造し、それを流入誘因としてはと考えます。何に特化するかは、これは非現実的な例ですが、アニメイベントを毎日行いアニメに特化した町にするとか…。とにかくどこの自治体にもない特徴を持つ事で流入が増える可能性があると考えます。どこの市町村でも考案しているような手厚い子育て対策や工場誘致などでは、競争相手が多く高畠町が転出先の候補に入る可能性は高くありません。つまり競争が激しい市場で血みどろの戦いをするよりも、新しい市場を創造するブルーオーシャン戦略をとるべきと考えます。コンパクトシティ化なのに人口増の話となってしまいましたが、コンパクトシティ化、新しい町づくりの構想にも特徴や特化が必要かと思いあえて挙げさせて頂きました。どんな分野に特化すべきかは意見を募り議論して決定すべき事ですが、私個人の考えは「安全」(特に食)に特化してはと考えます。食料や様々な製品において一般的には、海外産は安全性が低く日本産は安全だという常識があります。しかし実際のところEUに比べると日本の残留農薬の基準が緩かったり、日本はもちろん中国でさえ禁止されている成長ホルモン剤を使って飼育した輸入肉が日本市場に流通していたり、日本が食品添加物許可数が世界1位だったり、日本産は安全というのは実際は思い込みに過ぎません。現実、あるヨーロッパの旅行業者は日本での食事を気をつけるよう渡航者に勧告している事例もあります。このような日本の食品の危険性を認識している日本人は一定数おり、今後更に増えていくと考えられます。こういった人たちは有機農業にも関心があり、高畠町農業の担い手となる可能性もあります。

都市計画マスタープランの中心市街地拠点の集積化

中心市街地拠点(以下、中心地と表記)

◉ 中心地に住まいを集積化する。そのために一戸建ての分譲はもちろん、大型の居住地施設を建設を検討する。その大型の居住地施設は単に住宅の利用だけではなく、一室毎に老人介護施設やオフィス、宿泊施設など多種多様な利用を可能なものとする。(法的にできるかわかりませんが…)。なお一室毎というのは、フロア毎やエリア毎の賃貸ではなく、一つの部屋単位の賃貸である事が重要です。これにより入居退居の新陳代謝やニーズの変化に柔軟に対応できるため活用度が高くなると思われます。
◉ 中心地に超小規模から小中規模の小売店が出店できるような複合商業施設を設ける。出店退店が行いやすいように、施設内を細かくブロック単位で分割し、店舗の規模に合わせたブロック単位でのテナント利用を可能とする。また施設をオフィス利用や業態や規模に関係なく利用できるようにするためと、出店退店による改装工事費を抑えるために、柔軟性の高いデザインとなるよう十分に検討する。恐らくこのような施設は全国を調べれば存在すると思うので事例を調べ、現在運用している施設の課題なども洗い出す。

流入誘因策

◉ 町として行政サービスを縮小したい地域(以下、過疎地と表記)から中心地へ移住した際の住宅費を無償化する。ただし30年とか世帯主が変わったら等の条件を設けて、いずれは有料化する。また引っ越し費用の補助も行う。最低これぐらいしないと、住み慣れた土地を棄てて中心地への移動は行わないと考えます。ただしコンパクトシティ化しなかった場合の過疎地維持費とコンパクトシティ化した際の移住宅費にかかるの費用を比べ(年間費用ではなく、減価償却の法定耐用年数ぐらいの総額で比較)、後者の方が高くつくようなら、移住促進の費用の補助は実施しないほうが妥当と考えます。
◉ 過疎地の新規建築物の規制。
◉ 心理面からの誘引。コンパクトシティ化を進めずに現状のまま将来を迎えた場合に、過疎地の行政サービスがどれ程を劣化および削減せざるを得ないか(不便になる事)を長期間に渡り何度も繰り返し発信し、高畠町存続の危機を伝える。次にその打開策がコンパクトシティ化である事と中心地の魅力を伝える。(危機感醸成から解決策の提示は効果的な意識誘導の手段です)