たかはた未来を考えるサミット2025

開会
- 「高畠未来を考えるサミット2025~学び・働き・育てる町をつくろう~」の開始が宣言された。
- 開催日時:2025年3月22日
イントロダクション
- デジタル田園都市国家構想交付金を活用した事業の成果を報告
- 高畠町が取り組むテーマ:
- 経営者の人材育成
- 学生の学び
- 子育て世代の環境づくり
- 本日の目的は次の3点:
- 町の取り組みを知ってもらうこと
- 町の課題と未来を皆で共有すること
- 高畠町の未来を“ワクワク”しながら考えること
町長あいさつ(高畠町長)
- 協力企業(トーマツ、カンパニオン、山形アスリートラボ)、高畠高校、長岡校長への感謝
- 高畠町は人口21,000人を下回り、少子高齢化・人口減少が深刻
- 国の試算により「消滅可能性自治体」とされている
- 今後、町民・企業・行政が協力し、地域の未来に向けた取り組みが必要
- デジタル田園都市構想交付金を活用した3事業を紹介:
- 地域産業を担うリーダー人材の育成(産業分野)
- 教育の魅力向上(教育分野)
- 安心して子育てできる環境づくり(子育て分野)
コンディショニング(山形アスリートラボ)
- 健康づくり、体幹強化、集中力向上を意識した軽運動を実施
- 参加者に対して:
- 水を飲みながら、無理のない範囲で行うよう指示
- 「身体の声を聞く」ことが大切であると指摘
各事業の報告
① 産業
- 産業分野セッションの副題:「掛け算による新しい景色を目指して」。
- 課題が複合的に絡む中で、異なる視点や分野の「掛け算」によって新しい価値を創造していく意義を強調。
- 百瀬氏はデロイトトーマツグループに所属し、全国の自治体や事業者と連携して地方創生を推進。東日本大震災後の気仙沼市での復興支援を経験。
- 気仙沼町大学のように、地域全体を学びの場に変える取り組みの先行事例に関与。
- 高畠町との関わりは2021年12月から。直感的な共感を覚え、現在の産業人材育成事業に関与。
高畠町の産業人材育成事業の概要
- 高畠町は現在、「産業人材育成」「デジタル田園都市構想(デジ電)」「プラットフォーム構築」などを柱とした取り組みを展開中。
- 産業人材育成分野における主要施策が「リーダー系人材育成経営塾(通称:経営塾)」。
経営塾の構成と特徴
- プログラム期間:6か月。
- 内容:リーダーシップ、戦略、マーケティング、基礎財務などの座学に加え、「メンタリング」に重点を置く。
- 特徴:
- 答えは参加者自身の中にあるという理念。
- 外部からのコンサルティングではなく、参加者の思いや事業構想を対話を通じて深めていく。
- 町職員も伴走者として関与し、サポートを行っている。
- 最終的に「自分史上最高の事業構想」を策定し、発表を行う。
- 過去の成果:
- 1期生:6名
- 2期生:5名
- 3期生:5名(うち1名が今回発表)
- 累計:16名が卒塾
- 気仙沼や他地域の経営塾とも連携しつつある。
地域内外の連携
- 他地域(例:気仙沼市)との連携実績あり。経営者間のセッションや人材交流を実施。
- 共通課題:人材不足、連携不足など。
- 他地域の卒塾生を招いたセッションも開催済。
今後の展望
- 第4期の経営塾を来年度(2025年度)に開催予定。
- 夏頃に入塾式、年明けに卒塾式を実施するスケジュール。
- 地域内外の民間事業者の参加も期待。
鈴木将道氏(第3期卒塾生)によるプレゼン内容
- 所属:シャンクスロード農場(高畠町上和田地区)。
- 経営理念:理想(シャングリラ)×感謝(サンクス)×正道(ロード)=シャンクスロード。
- 小学校の授業での田んぼ体験、高校・大学での有機農業への関心。
- 就職先のイオン農場での経験を通じて、農家出身でなくとも農業に携われることに希望を持つ。
- 高畠の有機農業の歴史を誇りに思い、将来を担う責任を感じる。
- 有機栽培面積の減少(2009年から30%減、100ha未満へ)。
- 新規就農の困難、有機認証取得の障壁。
- 水害による耕地損失、有機認証の維持困難。
- 将来的に「子どもたちが笑顔で自然とふれあえる持続可能な農業地域」を目指す。
- 見たい未来を自ら描いたビジョン絵を紹介し、強い覚悟と決意で締めくくった。
②学び
■ 取り組みの背景
- 2023年夏前頃から中高生との関わりを開始。
- 高畠町の住民の中には中高生を応援したいという声があったが、彼らが何をしているか知らないという実情があった。
- 高畠町は広く、車移動中心のため中高生同士のたまり場が少ない状況。
- 最初の段階では、大人と中高生が出会う機会を増やすことにフォーカス。
■ プロジェクト①:高畠アートチャレンジ
- 目的:中高生の活動を大人に知ってもらう。
- 内容:中高生が1万人の大人と会って写真を撮り、モザイクアートを作成。
- 結果:合計11,017枚の写真を集め、目標達成。
- 過程:中だるみや困難もあったが、徐々に成功体験を得て自信を深めた。
- モザイクアートは「青竹ちん祭り」で掲出。
■ プロジェクト②:高畠フェス
- 目的:中高生が大人と関わりながら学ぶ機会を創出。
- 内容:
- 中高生が主導で企画した「冬の陣(チャンバラ)」「クリスマス工作」「まちづくりワークショップ」などを開催。
- 参加者:フェス全体で約240名、各イベントには多数参加(例:冬の陣 45名、工作 58名、ワークショップ 35名)。
- ワークショップでは参加者とともに自分たちの町の未来について考える場を提供。
- 成果:他地域からのイベント招待も受けるほどの反響。
■ プロジェクト③:リアルワークプロジェクト
- 目的:中高生が「働く」ことを体験し、地域に価値を提供する。
- 働く=「旗を楽にする」→ 隣人を助ける行為として捉える。そしてそれがありがとうとなる。
- 子どもたちによる2つの取り組み:
① りんご飴プロジェクト
- 内容:自らレシピを考案し、製造・販売を実施。
- 結果:4日間で250個販売。売上14万円、利益10万円超。目標1万円に対し達成率976%。
- 感想:接客や販売戦略の難しさを実感。リピーターの存在に感動。地域からの支援に感謝。
② 謎解き脱出ゲームプロジェクト
- 内容:高畠公民館隣の「蔵」を使い、忍者をテーマに企画・装飾・運営を実施。
- 結果:成功者0名だが、満足度8.82。
- 感想:世界観作りや顧客体験の重要性を学び、試行錯誤しながらも達成感を得た。
■ 得られた変化と成果
- 中高生間の垣根が低くなり、学び合いが生まれた。
- プロジェクトを通じて役割を意識し、自ら動く姿勢が育まれた。
- 無料・有料の区別、責任意識が育ち、金銭感覚や応対力も向上。
- Discordなどのツールを使い、オンライン上でも活発な議論・協力体制が形成された。
■ 来年度の展望
- 拠点(塾のような場所)を常設予定。
- 「用事がなくても立ち寄れる場」として町民に来訪を促したい。
■ 関連する今後の動き
- 高畠高校が「地域留学」制度により全国から生徒を募集予定(プラットフォーム社が仲介)。
- 地域住民と留学生の関わり方を示す絵本を制作中(未完成)。
■ まとめ
- 教育プロジェクトは、「行動を起こす力」を育むプロセスとなった。
- 地域の協力により、中高生が社会との接点を持ち、学びを深める機会が創出されている。
- 来年度以降、常設の学びの場・全国からの受け入れといった展開が進む見込み。
③子育て
■ 発表者 一般社団法人山形アスリートラボ(元フェンシング競技者、現:高畠熱中小学校にオフィスを構える)
■ 概要
- 事業名:「町まるごと子育て」、通称「まるこ」。
- スポーツの知見を活かし、町民の健康促進を子育て支援と結び付けて展開。
- キーワード:「ハイパフォーマンス」から「ライフパフォーマンス」へ。
■ 実施背景と考え方
- アスリートは体調管理に非常に意識的であり、その知見は一般住民にも応用できる。
- 子育て世代(特に産後の母親)への支援を入り口として事業を開始。
- 身体のコンディショニングを通じて「自分の体を思い通りに動かせる」未来を目指す。
■ プログラム①:産後母親向けオンラインセッション
- 期間:2024年1月~3月(全12回)
- 参加者:26名(対面はモックルにて3回)
- 内容:
- 肩回しや股関節エクササイズなど、アスリート向けトレーニングを応用。
- 目的:腰痛・肩こり改善、体型の回復、自己メンテナンス。
- 方法:雪や感染症流行への配慮から、主にオンライン形式(毎週火曜10時から)
- 成果:
- 「履けなかったズボンが履けた」「体重が3kg減った」などの実感多数。
- アンケート:腰痛・肩こり改善、ストレス軽減、自分時間の確保などで高評価。
■ プログラム②:対面型セッション(モックル)
- 子どもはNPO法人「スプーン」に預け、母親は1時間完全に一人で自分の体と向き合う時間。
- 対面でしか届かない指導を補完。
■ プログラム③:スポーツ×暮らしフェス2025@高畠(2025年3月1日開催)
- 場所:高畠熱中小学校
- 来場者数:約137名(うち町内5割弱)+オンライン視聴者186名
- セミナー内容:
- 柔道金メダリストによる子育てとスポーツに関する講演
- 国立スポーツ科学センター栄養士による山形の食と身体づくりの講演
- 働くお母さんに対する出張コンディショニングの事例紹介
■ 体験ブース(5種類)
- メタバース体験:
- ウサイン・ボルトと同速のマグロ、高跳び世界記録を仮想体験
- アート×スポーツ:
- 使われなくなったスポーツ道具を活用し、自由な創作体験
- コンディショニング体験:
- 参加者と共にエクササイズを実施
- ダラ炭子(片栗粉+水)実験:
- 子どもに人気の実験体験(走り続けると沈まない現象)
- 自由なダンス・遊び空間
■ 今後の展望
- サポート対象を産後母親から町全体へ広げる。
- 働く人、暮らす人の健康支援にもスポーツの知見を活用。
- 中高生を含めた「ワクワクする挑戦機会」の創出を継続。
■ まとめ
- スポーツの知見は「感動」や「競技」だけでなく、地域の生活や健康支援にも応用可能。
- 「町まるごと子育て」を起点に、世代横断の健康促進と学びの場づくりを推進。

