2/13議員研修「高畠町の中期財政見通しについて」

 

議会研修会の概要

議会研修会「高畠町の中期財政見通しについて」を開催し、町財政課から中期的な財政見通し(令和6年度〜令和11年度)について説明を受けました。 併せて、基金残高の減少見込みや今後の対応の方向性について質疑を行いました。

中期財政見通しを作成する背景と目的

人口減少による税収・地方交付税の減、物価高騰、社会保障関係経費の増加、近年の大規模事業の起債償還などにより、今後は「収入減・費用増」がこれまで以上に進行する見込みであることから、 町の財政状況の現状・動向を把握し、健全な財政運営に向けた対応を検討・実施する指針として中期財政見通しを作成するものと説明がありました。

  • 将来の財政運営上の課題を明らかにし、事務事業の整理合理化・統廃合等の検討や予算編成の指針とすること。
  • 職員全体で財政状況の認識を共有し、節約や工夫などの意識向上につなげること。

試算の範囲・前提

  • 対象期間:令和6年度〜令和11年度(今後5年間)
  • 対象会計:一般会計
  • 試算方法:令和7年度決算見込み時点(令和8年1月)で見込まれる制度や各種指標等を踏まえて試算
  • 「3基金」:財源調整機能を持つ基金(財政調整基金・減債基金・公共施設等整備基金)の合計

試算結果のポイント(令和6年度〜令和11年度)

歳入の見通し(説明の要旨)

  • 町税:人口減少や土地下落、評価替等を見込み、減少傾向とする。
  • 地方交付税:人口減少、交付税算入公債費の減少に伴い、減少傾向とする。
  • 国・県支出金、町債:投資的事業の動向を反映させる。
  • ふるさと納税等寄附金:現状目標と同額を置き、その他には使用料、繰越金、諸収入等を含める。

歳出の見通し(説明の要旨)

  • 人件費:単価増、定年延長、職員の採用・退職等を見込む。
  • 扶助費:横ばいと見込む。
  • 公債費:町債の借入計画と連動させる。
  • 普通建設事業:予定されている事業を勘案して推計する。
  • その他経費:物件費、補助費、繰出金等( 一部事務組合負担金等を含む)を反映する。

収支・基金残高の見通し(重要ポイント)

  • 令和8年度以降、歳入−歳出がマイナスとなり、財源不足が継続する見込み。
  • 財源不足は3基金繰入金で補う想定となっており、その結果、3基金残高が減少していく見込み。
  • 3基金残高は、令和6年度末と比較すると令和11年度では半減すると推計。
  • 地方債残高は、減少する見込み。

中期財政見通しを踏まえた対応(資料で示された方向性)

(1)歳出の抑制

  • 人件費の抑制(組織再編、DXの活用等)
  • 事業の「選択と集中」による経費節減(優先順位の明確化)
  • 投資的事業等の計画的実施と公債費の抑制(抑制・平準化)

(2)歳入の確保

  • 新たな歳入の確保(ふるさと納税の拡充、資産の有効活用・売却等)
  • 各種使用料・手数料の値上げ

(3)その他の取組み(基金残高の目標)

災害対応の一般財源確保の観点などを踏まえ、町としては「3基金合計が21億円を下回らない」ような財政運営が必要との整理が示されました。 また、今後の財源不足状況を解消するためには、年間2億円以上の収支改善が必要であると説明がありました。

質疑応答の主な論点(要旨)

事務量・職員体制

自治体業務の「上からの下り」が増え、人口減少=業務減とはならず、むしろ福祉等を含め業務は細分化・高度化しているとの説明がありました。

AI活用(行政改革)

AIを絡めた改革の発想は現時点では十分でなかったが、提起を受けて検討したい旨のやり取りがありました。

企業誘致・産業振興

企業誘致の必要性は共有しつつ、受け皿となる用地確保等が課題であり、工業団地の拡張や跡地活用などの検討が必要との趣旨が述べられました。

ふるさと納税の拡充

近隣自治体の事例(ふるさと納税を財源にした施策展開の例)も踏まえ、寄附額の拡大が財政見通しに大きく影響し得ること、 一方で全国的な競争の中で勝ち切るには町全体で切り口を継続的に検討する必要がある旨の説明がありました。

事業の休止・延期(「やめ方」「代替」の考え方)

個別事業の停止を財政担当から断定的に示すことは難しい一方、優先順位付けや事業の整理の必要性が示され、 議会の場での論点提示(一般質問等)を通じて具体の議論につながる、との趣旨が述べられました。

基金が「これまで増えていたのに、今後減る」理由

過去に基金が増加してきた背景として、国の交付金等が増えた時期(コロナ禍を含む)の影響がある一方、 それを恒常的な前提として見通しを立てることはできないため、平常時を想定した見通しでは基金が減少していく形になる、という説明がありました。

行財政改革の体制・推進の課題

収入確保と歳出抑制の双方に取り組む必要があるが、推進のための体制整備(役割分担や組織面)をどう進めるかが課題である旨の議論がありました。

病院会計との関係

病院会計の厳しさと一般会計への影響に関する指摘があり、今後は一般会計・病院会計の両面での対応が必要との趣旨の説明がありました。

広域連携・将来の行政サービス維持

人口減少下では単独で全てを抱えることの難しさも論点となり、役割分担等を含めた広域的な観点での議論の必要性が示されました。

まとめ

今回の研修会では、令和6年度〜令和11年度の中期財政見通しとして、令和8年度以降の財源不足と3基金残高の減少見込みが示されました。 併せて、3基金合計21億円の確保を目安とした財政運営の考え方、年間2億円以上の収支改善の必要性、 歳出抑制(人件費・事業の選択と集中・投資の平準化等)と歳入確保(ふるさと納税・資産活用・使用料等)の両面からの対策が重要であることを共有しました。

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