12/14 「人口減少の社会に適応したまちづくりについて」

※流れがわかるように、時系列を無視して質問の関連性で編集しました。以下から一般質問の内容となります。

このまま人口が減り続けて高畠町は大丈夫なのか、私は町の将来に不安を感じています。先日の屋代地区町づくり懇談会でも、人口減少を危惧する声が上がりました。

人口の減少は、税収の減少につながると考えられます。町の財政計画では、歳入の約半分を占める町税と地方交付税が、減少傾向と予測されています。一方、歳出では、団塊世代の高齢化に伴い、扶助費の大幅な増加が見込まれ、公債費、維持補修費は横ばいとなっていますが、新庁舎建設による公債費の伸び、施設の老朽化による維持補修費も増えていくものと思います。

また、他会計繰出金は、37の類似団体で最下位。交付税に参入される他会計分、特に病院事業会計への繰出しがあるために大きくなっている側面もありますが、類似団体の中で最下位は気がかりです。

そして、不安を増幅させるのが、図書館、もっくる、スマートインターチェンジ、新庁舎建設と大型建設事業が続いていることです。地方債の現在高は、平成22年と令和2年で比較すると35%も上昇し、将来負担比率も上がっています。このような町の資料からは、歳入、歳出、地方債、いずれも悪化すると予想されます。

千葉大学の倉阪研究室「未来カルテ2050」の予測では、扶助費と一人当たりの維持管理費が増加、更に歳入歳出差引額は、2025年にはマイナスに転じると算出されています。そして、就労者の激減も予測されております。

人手不足に関しては、既に発生しています。ある農家の方から、「寒河江では市の職員に副業を認めて、サクランボの収穫の際に手伝いにきてくれる。高畠でも役場の人がくるようにしてもらいたい。」との声があがっています。

人口減少は人手不足を含め、様々な悪影響を及ぼします。これから10年間の財政計画をお示しいただけるとのことですが、それとは別に、2040年以降を含む、長期的な財施計画を策定する予定があるのかをお聞きいたします。

また2040年までに起こるであろう町の変化ついて、どのような事が予測されているのか、お伺いいたします。例えば、人口減少による商店街や自治会の増減などです。また、歳入を増やす、歳出を抑制するために、何か具体的な策があるかも、合わせてお聞きいたします。

(再質問)

まず、都市計画マスタープラン策定時に熟考を加えていだける事、総合計画において見直しを図っていただける事など、前向きなご答弁を頂きましてありがとうございます。ただ長期的な財政計画においては、意見の相違がありましたので、付け加えさせて頂きます。

 先程ご答弁頂きました2040年の町の変化、生産年齢人口と老年人口が同じとなる予測は、とても歓迎できるものではありません。それに歳入増、歳出抑制を図る対策も、大幅な改善に期待をもてるものでもありません。これでは町民の不安解消にはなりません。もし長期的な財政計画を策定して頂いて、その結果が将来も安泰と言える内容であれば、町民の不安解消に繋がります。それに、いくらかでも転出抑制につながるかもしれません。逆に財政計画の結果が悪いものであれば、今から危機回避行動に移れます。つまり、策定結果の良し悪しに関わらずメリットが生まれます。デメリットがあるとすれば、労力だけではないでしょうか。長期的な財政計画は、不確定要素が多いために精度が相当低くなるとの事ですが、現時点で高精度を求めなくても構わないと思います。毎年ローリング方式により、修正をかけていけば次第に精度は上がり、やがて2040年の姿が見えてきます。長期的な財政計画の策定が無理なら、せめて人口動態の変化により増減する、義務的経費の推移と、町税などの歳入推移の予測を立てていた頂く事を希望します。それにより将来への備え、もしくは自治体の半数が消滅すると言われる2040年でも、高畠町は大丈夫だよというアナウンスができ、それが町民の安心に繋がります。改めてお伺いします。2040年までの財政計画策定、もしくは、シミュレートできる範囲での歳入歳出の推移予測をたてる、どちらかを行う事を検討していただけないでしょうか。

(意見)

私の希望としては、町民の不安解消。私だけではなくて、おそらく将来高畠町どうなるの?というふうに不安を持っている町民というのが存在すると思っているんですよ。その町民の不安を解消するという意味で、長期的な、きぱっとした財政計画でなくても、歳入歳出の予測できる範囲でもって、希望したんですけれども、この度は、その辺の必要性っていうものを十分に、私のちからではお伝えできなかったようですので、またの機会にでもお話できたらと思います。


これからの人口減少は、かつてないスピードで進行します。過去40〜50年かかった5千人の人口減が、たった20年弱で実現します。また今年10月1日時点の人口は、2010年を基にした予測より、更に2015年を基とした予測よりも、下回っています。

予測値より実際の人口が少ないという現象は、当町に限った話ではありません。日本の超過死亡、つまり想定の死亡者数を超えて亡くなった人の数は、昨年は11万人を超えています。東日本大震災を大幅に上回る異常な値です。この現象は、日本だけではなく、世界各国でも発生しています。この超過死亡の激増から、過去の人口予測は信頼性に乏しいこと、人口減少のスピードが加速していることを認識すべきだと思います。

ところで、当町の人口をシミュレーションしてみると、合計特殊出生率が4人になったとしても、少なからず2060年までは人口増加には転じません。

この人口減を食い止める手段は、理論的に3つあります。

・出生数を増やす。

・他の市町村からの転入を増やす。

・海外から移民を受け入れる。

出生数を上げたいところですが、結婚に対する意欲の低下と、生殖能力の低下、経済力の低下が障壁となっています。まちづくり懇談会などでも、今年の出生数が90人程度と、ショッキングな数字を耳にしました。生殖能力の低下は不妊治療が激増していることからも間違いないと思われます。価値観の変化による結婚意欲の低下や、生殖能力の低下は金銭だけでは解決できず、相当な労力と時間を要すると推察されます。

出生数を増やすのが難しいのなら、転入増を図らなければなりません。参考となるのが内閣府の「地方において人口の増加した市町村の特徴」です。人口が増加した地域には、産業集積などの3つの特徴がありますが、当町はいずれにも該当せず、受動的な人口増加は望めません。

それなら自力で転入増を図りたいところですが、人口減少は当町だけの問題ではなく、日本各地で同時に起こります。どの地域でも人口が減るので、過去と同水準の転入を求めるのは難しいと言えます。

その上、移住を検討している人の70%以上が20〜30代で、それらの人々が移住する際には、働き口の確保が必要です。実際、移住希望者の仕事の目的は、断トツ「収入を得るため」であり、やはり企業誘致による働き口創造が、移住の最大誘引になると推察されます。しかし、当町において、大型の企業誘致はしばらく実現していません。仮に多額の資金を投入して千人規模の企業誘致に成功したところで、2040年まで減少する5千人には到底及びません。

このように他の市町村からの流入も困難といえますが、海外からの移民は別です。国は移民を進めており、人口を増やす特効薬となる可能性があります。ただ移民を受け入れて治安が大幅に悪化した海外事例や日本文化が喪失してしまう可能性からも、個人的は賛成しかねます。

このような人口増加に悲観的な予測を持っているのは私だけではありません。例えば、東京大学の瀬田史彦准教授は、

●人口が回復する可能性はまずない。

●社会増は他地域の社会減となる

 と言っております。

こういった識者の見識があるにも関わらず、少子化対策をすれば、何とかなりそうな空気が世間にはあります。テレビでもしっかりと人口は減ると言っているにも関わらずです。具体的に2050年には、日本の人口が1億人を下回る、同時に少子化対策を行なうべきという報道があります。前者の人口が1億人を下回るという予測は統計に基づく根拠がありますが、後者の主張は単なるスローガンに過ぎません。誰も人口減少を食い止める5W1Hを含んだ解決策を明示してないにも関わらず「しなければならない」という義務感が、いつの間にか「やればできる」といった希望的観測に変わってしまっています。

因みに、少子化という言葉を最初に公的に用いたのは、1992年の国民生活白書です。30年も前に問題提起したにも関わらず、今なお解決の糸口が見つかりません。

このような実情や見識を踏まえて、2040年時点での、当町の人口をどれくらいに見積もっているかをお聞きいたします。人口の予測値は総合計画、財政計画にも影響を及ぼす重要なファクターです。

また、人口減少抑制のための新しい施策や戦略、方針があるか、また少子化対策を主たる目的としている施策、具具体的には、移住定住関連、婚活支援などの令和4年度における歳出総額と、その施策による増加人数の推定値も合わせてお聞きいたします。

実は既に、人口減少適応に方向転換した行政が存在します。

京都府では、「ムラの減築」という理念のもと、活性化を目指さない地域づくりに対し、賛同する市町村を支援しています。

また、熊本市では今年11月に人口減少を前提とした町づくりに取り組むことを、総合計画に入れる旨を発表しました。

具体的に人口減少に適応するためには、何をすべきか、私なりに、いくつか提案をさせていただきます。

一点目は、長期的な財政計画を策定することです。先ほど長期的な財政計画を策定しているか質問いたしました。私は、自治体の半数が消滅すると言われている、2040年を目処として策定すべきと思いますが、いかがでしょうか。

二点目は、国土交通省の「市町村管理構想・地域管理構想策定推進対策事業」への公募です。これによって、地域資源の有効活用が高まること、さらに、この事業のワークショップを町民と一緒に行うことによって、問題意識と住民の自治意識の醸成にもつながることが期待されます。

三点目は、高畠町都市計画マスタープランの更新の際に、確度の高い人口予測のもと、コンパクトシティなど、人口減少の実情にあった都市設計を策定することです。

四点目が、内閣府で推奨しているEBPM、証拠に基づく政策立案を行うことです。

ところで、私が町政に関わることを志して以降、それまでは一切目にすることがなかった様々な計画書や施策を目にしてきました。その際、役場の方々は、非常に広範囲に渡って、数多くの取り組みを行っていると感じました。とにかく頑張っておられると思います。改めて、日頃のご尽力に心から感謝を申し上げます。ただ、中には効果が限定的とか、費用対効果が十分でないものが散見されます。そういった施策が存在する理由は、多忙が故に施策立案の十分な時間がないとか、単に先進事例だからといったエピソードベースで立案しているからではないでしょうか。

コロナ禍以降、徳島県神山町が先進事例として、紹介されるのをよく目にします。神山町が成功したのは、IT化を先駆けて行ったというエビデンス、つまり根拠があったからです。成功事例を模倣するにしても、実情に基づいた成功の証拠がなければ期待通りにはなりません。EBPMの視点では、施策の立案に対し、データに基づき施策の必要性はあるか、KPIなどの目標値を達成する根拠があるか、コストはどうか等を検討します。少子化対策はEBPMの視点ではどうでしょう。他の施策や事業も、EBPM的に廃案となってしまうものもある筈です。EBPMを取り入れれば、効果の高い施策が実行され、効果の低い施策は中止されると思われます。また歳出抑制にもつながります。

今後、EBPMの視点を取り入れた実施計画、予算編成の考えがあるか、お聞きいたします。

最後に、共助社会の再構築です。

現在、人口減少と人間関係の希薄化により、自治機能が低下していると思われます。今後ますます進行すれば、自治機能の悪化喪失は避けられないのでしょうか。そんな事はありません。考え方を変えれば人口減少は、単に百年以上前の人口構成に戻るという事です。昔は人が少なくても社会が成り立ちました。それは何故か。昔は互いに足りない部分を助け合う「おたがいさま」という精神文化があったからです。人口減少により人手などのリソースが不足していったとしても、「おたがいさま」という共助の心があれば補完できます。歴史がそれを証明しています。共助社会の再構築が、人口減少の世界では必要不可欠と考えます。

これまでも、福祉や防災の視点で「自助・共助」に取り組んでおられますが、現在の共助への取り組み、今後の方針についてお聞きいたします。

このような手段を講じることを念頭に置き、人口減少を見据えた、いや、人口減少を受け入れた町づくりに、舵を切っていくべきと私は考えています。

総合計画の大きな改訂は行わないとの方針のようですが、熊本市のように総合計画に位置づけ、人口減少に適応したまちづくりに転換していく必要があると思いますが、町のお考えをお聞きいたします。

最後に、2040年になった時、

あの時、方向転換をしてよかった、町長の慧眼、先見の明のおかげで、一人ひとりの幸せが実現している、そういう未来を描いていけたらと思います。

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