「どうなるの?私たちの部活動」講演会

高畠町の部活動の現状

国の方針

生徒がスポーツ・文化芸術活動に継続して親しむことができる機会を確保することを目指す

高畠町地域クラブ活動検討委員会の構成

国の方針に対応するに高畠町地域クラブ活動検討委員会を開いている。

(構成)
・スポーツ協会
・スポーツ指導員
・PTA連合会
・部活動顧問
・スポーツ少年団
・芸術文化協会
・連合校長会
・公民館
 計18名

高畠町地域クラブ活動検討委員会の経過

・5月 第1回検討委員会
・10月 アンケートを実施(対象:児童・生徒、保護者、教職員)
・先進地視察(岐阜県白河町・愛知県大口町)
・12月第2回検討委員会

高畠中学校の現状

渡辺靖代氏 公演

国は小学生がメインとなっているスポ少の年齢幅を上に広げていく方針。

スポーツリンク白川

岐阜県白川町では以下のような構成のスポーツリンク白川(一般社団法人)という組織をつくり、主に中学生に対してのスポーツの機会を作り出している。

◉白川町ではスポーツリンク白河(以下スポリン)をトップとして、その配下に各クラブ、スポーツ少年団、サークルを配下においている。
◉スポリン配下の各団体が、町の施設において夕方5時から7時まで活動を行っている。
◉中学生は帰宅せず学校に残って、自分が所属する団体の活動を行う。
◉団体の活動では、指導者がいない場合もあるので、保護者が見守り責任者となる。
◉保護者が鍵の開閉を行う。
◉団体に所属するかは生徒の任意。
※詳しくは以下のスポリンのサイトでご確認下さい。

3つのスポーツ団体が一緒になったメリット

・スポーツについての問い合わせ窓口が一つになった
・スポーツ安全保険が統一されている
・複数のスポーツを楽しむことができる
・練習状況や大会などの情報が把握できる
・行政、学校との連絡がしやすい
・他団体と「リンク」しやすい
・小学生と中学生が一緒に活動できる
・協会の方に協力を得られやすい
組織を統合したことで、各団体に出していた補助金を減らせた。数百万→260万円に抑制

スポーツリンク白川活動目的

私たちは地域におけるスポーツ・文化・福社に係る活動を通じて「地域」と「人」と「夢」をつなぎます。活動を通じて、多様な分野との連携をし、横のつながりを深めていきます。そして、町民の声に耳を傾け、地域で支え合うコミュニティーの場作りを提供し、ひとづくり、ネットワークづくり、ふれあいづくり、活力ある町づくりをしていきます。

4つの取り組み

①スポーツを通じた町民の健康増進
○あらゆる世代てスポーツ人口の増加や体力の維持
○スポーツ実施によるジュニアの体力向上、シニアの活カ向上
〇誰もが楽しめる居場所づくり

②ジュニアのスポーツ機会の充実
〇スポーツの楽しさを知る環境づくり
○スポーツを通じた人間形成やリーダーシップの育成
○多世代交流、多種目のスポーツを楽しめる仲間づくり

③種目別スポーツの支援と指導者育成
○スポーツ指導者の育成・支援とスポーツリンク白川を支える人材の発掘と育成
〇各種大会・対外事等を通して地域間交流の促進
〇働き世代へのスポーツ実施支援

④スポーツによる町づくり
○観光・文化等、他分野との連携による交流人口の増加
○スポーツイベントによる地域力の向上
○スポーツ施設の有効活用

○町外の会員もいる。
○1種目だけでなく複数の種目を行う事も可能。中学生で4つの種目を行っている者もいる。
○大人のスポーツ離れがある。
○町民大会の参加者が以前は町民のみだったが、現在は町外の参加を許している。
○ウオーキングで健康増進をしている。
○スポ少は3団体。他にサークルが多数ある。eスポーツもある。

○白川町には町営体育館がなく、小中学校を活動の場として利用している。
○スポ少からサークルに変更したら参加者が増えた。段などの資格をとる必要がないとか(例えば柔道の段など)、親が役員をする必要がないとかが要因と思われる。

中学校の部活動について

スポリン(スポーツリンク白川)活動に関わる人材

顧問:部活動の運営・指導を担当する教職員
部活動指導員:校長の任命を受け、部活動の指導に携わる非常勤職員→無し
外部指導者:学校職員以外で、部活動の支援を校長が委嘱している指導者→無し
地域指導者:スポーツリンク白川と長が委嘱している指導者→17名


○部活の後にスポルトクラブの会員となって、学校施設でおこなっていた。

スポリン活動で必要なもの

1 規約や指導指針

学校の部活動とは→「生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化、科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵養等,学校教育が目指す資質・能力の育成に資するもの」←規約の中にこれをいれている。

【規約の内容】
・趣旨
・目的と目指す生徒像
・部活動の種目
・加入の条件と手続き
・活動の基本方針
・活動日、活動時間、場所等
・指導の立場
・指導上の留意点
・運営組織及び費用
・練習試合、大会等の生徒の送迎について

毎年部活動育成委員会で規約の見直しを行っている。

2 委嘱状

地域指導者は中学校からの委嘱状を受けて指導をしている。

○保護者会が指導者を決めている。
○任期は1年。9月から8月。
○保護者がなる場合もあるし、スポ少指導者もある。ただ委嘱をうけるには資格は要しない。
○指導資格がない者を指導者になっていいのかという意見があり、岐阜県が以下の資格を発行している。

3 ドリームシート

○部活動育成会?or 保護者会?で毎年ドリームシートを作成している。
○4月の顧問の先生が変わった時も見直す。

4 活動計画書

○鍵の管理人は保護者。学校の近くに鍵を管理している人がいる。その人にも計画書を提示する。

スポリンと学校の関わり

・17〜19時の使用許可
・備品使用許可
・保護者、地域指導者との対話
・公式戦(練習試合)エントリー

保護者の役割

○保護者が1人登板として見ている。指導はしない。見守るだけ。

○野球部で隣接する市町村で合同チームをつくった
○クラブチームで中体連に出場して優勝した。(男子バレーボール)
○中体連が終わった3年生もスポリンに参加できる
○部活動をやめて、スポリンに部活動的な活動を補ってもらっている。部活動がない部分、学校は勉強会等を開いている。
○部活もスポリンにも参加していない子が7%存在する。

質疑応答

○スポーツリンクに参加している教員の割合→3名だけ。
○スポーツリンク参加費→年会費1,000円、1,850円(保険に入ると)
指導者に対しては僅かな謝金程度しか払っていない。国でいうような時給などは払っていない。
○保護者の負担が大きいのでは?→スポ少に参加していた経験があった保護者がいるので、基盤がある。
中学1年の4月5月のスポリン加入率は低いが、時間とともに増えていく。1月には80%を超える。

考察

公演のタイトルが「どうなる?私たちの部活動」とうもので、私を含め聴衆の皆さんは、今後部活動がどう変化するかを聞きたくて参加なされたと思われます。しかし公演の内容はストレートに高畠町においての部活動の変容を予測するものではなく、先進事例である白川町の紹介でした。ただ、この度、公に白川町を紹介をしたということは、高畠町も白川町のスポリンの仕組みを導入していくと思われます。
今後の変化すること、変化しないこと予測して以下に列挙します。(あくまで個人的な予測です)

※現時点で明確に決まっている事は、2年後の令和8年までに土日の部活動を行わない事だけです。地域移行の話もありますが、そちらは具体的な内容が決定していません。現在実証実験を行いつつ、ここ数年内に地域移行の具体的な方針が国から発表されると思われます。

(変化する事)

  • 学校に変わって土日の活動を担うクラブ、サークル的な組織が各部活動毎に創設される。恐らく白川町のスポリンの機能を高畠町スポーツ協会が担うと思われます。
    • 具体的には、部活動の保護者会もしくは、現存する各種目のクラブやスポ少が土日の活動を委託される。
  • 中体連にクラブチームで出場する事が可能となる。実際、白川町で男子バレーボールで出場して優勝している。

(変化しない事)

  • 白川町のように部活をなくす事は高畠町においてはしばらくはないと思われます。

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