公共施設の ZEB化とゼロカーボンについて
2/13に東北芸術工科大学 建築・環境デザイン学科 三浦秀一教授を庁舎に招いて、「公共施設の ZEB化とゼロカーボンについて」という演題で議員研修会が開かれました。
高畠町新庁舎の省エネ・再エネ
- 断熱材厚さ:壁60㎜、屋根100 ㎜
- 窓ガラス:LOW-E 複層ガラス(ガス入り断熱タイプ)
- 窓サッシ:アルミ+木複合サッシ、アルミ+樹脂複合サッシ
- LED照明、人感センサー、昼光センサー
- 全熱交換器
- 太陽光発電:60kW
- 地中熱利用: 深さ100mのボアホール23本
ZEH・ZEBとは
消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した住宅や建物
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
エネルギー基本計画における目標
2020年までに新築住宅の過半数でZEHを実現
2030年までに新築住宅の平均でZEHを実現
ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)
エネルギー基本計画における目標
2020年までに新築公共建築物等でZEBを実現
2030年までに新築建築物の平均でZEBを実現
ZEBの考え方と4つのレベル
ソーラーシェアリング
ソーラーシェアリングとは、農地に支柱等を立てて、その上部に設置した太陽光パネルを使って日射量を調節し、太陽光を農業生産と発電とで共有する取組をいいます。
営農を続けながら、農地の上部空間を有効活用することにより電気を得ることができますので、農業経営をサポートするというメリットがあります。
さらに、増加する荒廃農地の再生利用という観点でも、期待されています。
高畠町の耕作放棄地でソーラーシェアリングすると
- 高畠町の農用地は3,828ha、耕作放棄地325ha
- 耕作放棄地に太陽光パネル容量81MW設置可能
- 16,200世帯分の電力が生産できる
- 高畠町は約7,800世帯
ソーラーシェアリングは儲かるのか
- 例えば発電出力50kWのソーラーに必要な農地は約1,000㎡
- 建設コスト750~1000万円
- 1年間に発電する量は約50,000kWh(家庭約10世帯分)
- 発電した電気を売る値段は1kWh当たり12円前後
- 1年間の電気の売り上げ60万円前後
- 太陽光発電は約30年は使える
- 発電した電気を地域内の公共施設や農業関係施設に供給する場合は
1/2の補助がある
東京と山形県の太陽光発電発電量の比較
東南置賜エリアでの太陽光発電の収支(住宅の場合)
- 東南置賜エリアでの太陽光パネル1kW当たり年間発電量1,095kWh/kW・
年(実績値) - 太陽光パネル5kWを125万円可能
- 最初の10年( FIT期間)は毎年12万円節約
- 太陽光パネルの設置費用は約9.5年で元が取れる
- 10年目以降は毎年9.6万円節約
- 太陽光発電は30年以上使える
同じ日の山形県の2つの家の温度の比較
断熱リフォームの全体改修と部分改修
薪・ペレットの暖房コスト比較
考察など
◉環境対策をしないと銀行でお金を貸してくれない。もはや環境問題は経済の問題となった。
◉太陽光発電設備の法定耐用年数は17年です。 設置には大金を要するため「費用対効果が低い」と感じるかもしれませんが、実際にはメーカーの出力保証が25年ついているものもあり、期待寿命は30年とされています。
◉3省連携 先進的窓リノベ事業。窓の断熱改修に一戸当たり最大200万円補助。
◉環境のために自宅の断熱リフォームを三浦教授は推奨していた。ただ全部改修だとコストが高くなるので、使用頻度の高い部屋や風呂場などの部分改修をしてはどうかと話していた。
質疑応答
(質問)今後ペロブスカイト太陽電池が2025年に向けて開発が進められているかと思います。この電池の実用化を待ったほうが長期的に費用対効果が高いかと思います。この件に関しまして、ご意見を頂戴できたらと思います。
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(回答)現在の太陽電池で十分。ペロ部会と太陽電池を待つ必要はない。
(質問)再生可能エネルギーで今後もっとも効率的なエネルギーは?(太陽、風力、水力、バイオ、地熱、)
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(回答)再生可能エネルギーでは太陽光発電が一番安い。